ニュース
「ネット詐欺を見分けられる」と約7割が自信、だが検証で偽サイトを見破ったのは約4割〜BBSS調査
10代男性の1割はスミッシング被害を経験
2026年2月18日 06:30
BBSS株式会社は2月13日、ネット詐欺に関する認知度や理解度、実際の判断力、年代別の傾向について実施した調査の結果を発表した。
同調査は全国の15〜59歳の男女で、「メールやSNSなどのコミュニケーションツールを週1日程度以上利用している」「インターネット上での行動を週1日程度以上行っている」人を対象にインターネットで調査を行った。有効回答数は618。
発表では、回答者を「令和世代」(10代)、「平成世代」(20〜30代)、「昭和世代」(40〜50代)」の3世代に分け、インターネット利用の背景が異なる各世代の回答について、次の5つのポイントから集計・分析している。
- 詐欺の手法の認知・理解度
- 詐欺を見分ける自信度および検証用の偽画面を用いた識別検証の結果
- 被害経験
- だまされやすくなると思う状況
- 詐欺に関する情報源
ネット詐欺の手法に対する認知度、平成世代が最も低い
インターネットを利用した詐欺について、手法別の認知度および対策への理解についてたずねた。
SMSを利用し偽ECサイトへ誘導し個人情報などを盗み取る詐欺(以降、スミッシング)については、全体では「対策まで理解している」が20.40%、「知ってはいるものの、対策まで理解していない」が54.90%、「知らない」が24.70%だった。
偽のECサイトを利用した通販詐欺(以降、偽ECサイト)については、全体では「対策まで理解している」が22.30%、「知ってはいるものの、対策まで理解していない」が59.70%、「知らない」が18.00%だった。
偽の決済画面によるカード情報詐取の詐欺(以降、フィッシング)については、全体では「対策まで理解している」が23.50%、「知ってはいるものの、対策まで理解していない」が61.50%、「知らない」が15.00%だった。
さらに、世代別にみていくと、いずれの手法も平成世代の認知度(ここでの認知度は、「対策まで理解している」「知ってはいるものの、対策まで理解していない」を合わせたもの)がもっとも低く、スミッシングでは66.00%、偽ECサイトでは73.80%、フィッシングでは78.60%にとどまった。
BBSSは、「手口や手法に加え、対策まで理解している」と回答した人がいずれのネット詐欺、世代においてもわずか20%台に過ぎなかったことから、ネット詐欺という言葉自体は広く浸透しているものの、実態は「言葉を知っている」という段階にとどまっていると分析している。
約7割が「詐欺か判断できる」に自信あり、検証では若年層ほど間違える
インターネットを利用した際に、不審なメッセージや偽ECサイトを自分で見分けられると思うかたずねたところ、「自分で見分けられると思う」「ある程度見分けられると思う」と答えた人は令和世代で73.30%、平成世代で70.90%、昭和世代で67.50%だった。
今回のアンケートでは、詐欺に対する認識能力を測るため、偽の通販サイトの画面を複数表示し、偽サイトかを判断させた。その結果、1つのテストにおける正答率は全体で38.3%、別のテストでは43.7%にとどまった。
さらに、不在通知を装ったスミッシングのテストも実施。詐欺もしくは正規のメッセージか判断を求めたところ、「詐欺の可能性が高いと思う」と答えた割合は令和世代で50.00%、平成世代で60.20%、昭和世代で68.40%という結果になった。
若年層ほど自分の判断力に自信を持っている傾向があったものの、検証上では詐欺メールを「正規のメッセージ」として受け入れてしまう傾向が強かった。この結果を受けて、BBSSは「自信の高さと実際の警戒心の『ねじれ』がある」と分析。また、特に令和世代ではデジタルネイティブゆえの見慣れている感覚がかえって警戒心を下げているのではないかと推測している。
令和世代男性の約1割がスミッシング被害に遭う
ネット詐欺の被害経験について、詐欺手法別にたずねた。スミッシングについては、全体で「遭遇した」が40.60%、「被害に遭ったことがある」が3.10%。偽ECサイトについては、「遭遇した」が29.60%、「被害に遭ったことがある」が3.60%。フィッシングについては「遭遇した」が29.30%、「被害に遭ったことがある」が3.40%だった。
被害に遭った割合を世代・性別ごとに見ていくと、令和世代の男性が突出していた。スミッシングでは9.40%と全体と比べて約3倍の割合が被害に遭った経験があると回答したほか、偽ECサイトでは8.50%、フィッシングは8.50%だった。
デジタルネイティブかつ手口の理解度も高い令和世代男性が、遭遇率に見合わない高い割合で実際に被害に遭っていることが明らかになった。BBSSは、「知識があることと『騙されないこと』は別問題であることを物語っている」と分析している。
平成世代の約2割、詐欺被害に遭ったとき「誰にも相談しない」
インターネットを利用した詐欺行為に遭遇した際、「信用してしまう」「詐欺だと気づきづらくなる」と思う状況と、詐欺の被害に遭った場合にどこに相談をしようと思うかをたずねた質問では、それぞれ複数回答のうち、世代間のギャップがもっとも大きく出た項目が紹介されている。
信用してしまう状況では、「誰にも相談できない状況だとだまされやすい」が、令和世代で26.70%と、次点の平成世代(13.60%)のほぼ倍だった。被害に遭遇した際の相談先では、「トラブル時に自己解決、もしくは諦める」が、平成世代で22.80%。昭和世代、令和世代はともに9.20%で、平成世代だけが突出していた。
この結果について、BBSSは「詐欺師が各世代の心理状況を巧妙に突いている」と分析している。例えば、令和世代に対しては、親や先生に知られたくないトラブルや警告を装い、心理的に追い込むことで、周囲に相談するという選択肢を奪うよう仕向けてくるという。平成世代に対しては「自分がだまされるはずがない」というプライドや、解決にかかる手間を考慮させることで、「相談するよりも、自分で対処するか諦めるほうが合理的だ」と思わせるような心理的バイアスが働いている可能性も考えられるとしている。
ネット詐欺の情報源、若年層ほどSNSの割合増
ネット詐欺に関する情報の収集源についてたずねたところ、全体では「テレビ・ラジオ番組/CM」がもっとも高く、38.5%だった。
世代ごとに見ていくと、昭和世代はテレビ・ラジオ番組/CMが51.50%ともっとも多かったのに対し、平成世代は「X」が最多の26.70%、令和世代は「YouTube」が32.00%と、若年層になるほどSNSでの情報収集が中心だった。
BBSSは、平成・令和世代、いわゆる“デジタルネイティブ”世代に対して、従来のマスメディアを通じた注意喚起が届きにくくなっている現状が浮き彫りとなったとしている。
今回の調査結果から、BBSSはネット詐欺に対する認知は進んでいる一方、詐欺の被害に遭わないための知識や、判断力には深刻なギャップがあることを指摘。特に、令和世代は手口を熟知し自信も持っている一方、日常的な「見慣れ」や心理的な追い込みによって、ネット詐欺被害率が突出していた。また、平成世代は詐欺の認知不足、そして被害に遭っても一人で抱え込むリスクがあることが明らかになったとしている。










