EU域内でも国境越えのネットショッピングは困難、60%は拒絶


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は22日、EU内のネットショッピングに関する調査結果を発表した。調査員が実施したテストでは、国境を越えたネットショッピングで、EU内の別の加盟国から購入を拒絶された割合が60%に達した。

 購入調査はカメラ、CD、書籍、衣料など100品目について行われた。拒絶された原因としては、輸送手段の欠如ないし国境を越えた支払い手段の欠如が挙げられている。27の加盟国のうち、ラトビア、ベルギー、ルーマニア、ブルガリアの4カ国が、国境越えのネットショッピングが難しい国とされた。ただし、加盟国のうち2カ国を除いては、国境越えのネットショッピングの成功率は50%未満だった。国境越えネットショッピングのメリットは価格で、50以上の商品が、輸送費を入れても10%以上安価で手に入る。また、約半数の商品は、自国では入手できない商品であったという。

 この報告を受け、欧州委員会は、国境越えのネットショッピングの障害を取り除く手段を講じる必要があると指摘。ネットショッピング自体の障壁を取り除く直接の手段を講じることのほか、市場のデータや問題に関する分析など周辺の業務も充実させる必要があると指摘した。

 報告は、欧州委員会でも驚くべき結果であったようで、委員の一人Kuneva氏は、欧州単一市場を目指すEUにとっては無視できないもので、ネットショッピングのみで起こっている事象では無いとも指摘し、欧州市場全体の問題でもあるとの認識を示した。


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(Gana Hiyoshi)

2009/10/26 12:50