eBayのSkype売却に絡む法廷闘争が終結、創業者2人は取締役復帰


 米eBayは6日、同社子会社Skypeの投資家グループへの売却に関連する法廷闘争が終結したと発表した。

 Skypeの中核となるP2P技術は、Skypeではなく、創業者グループによる別企業Joltidが保有している。しかし、eBayがSkypeの売却を決定したことにより、このソフトウェアのライセンスが問題となり、売却交渉は暗礁に乗り上げていた。

 関係投資家グループの新たな合意によって、投資ファンドSilver Lakeを中心とする投資家グループがSkypeの56%を、eBayが30%を、残り14%をJoltidとSkypeの創業者Niklas Zennstrom氏とJanus Friis氏が保有することに決定した。

 eBayはこの株式売却により、約19億ドルの現金と、額面1億2500万ドルの手形を受け取る。

 また、JoltidとSkypeの創業者2人は、問題となっていたJoltidのP2P技術をSkypeに提供すると同時に、「相当額の資本」をSkypeに投資する。これにより両氏は新会社の14%の株式を得るとともに、Skypeの取締役にも参画する。

 Skypeの56%を保有することになる投資家グループには、Silver Lakeのほか、ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz、Canada Pension Plan Investment Boardが含まれる。また、これ以前の話し合いで投資家グループに参画していたIndex Venturesは参画取り止めを発表した。

 この新たな交渉がまとまったことにより、Skypeの評価額は27億5000万ドルとなった。

 合意に達したことに関して、SkypeのCEOであるJosh Silverman氏は、公式ブログで歓迎の意を表明した。この合意により、これまで不透明だったJoltidの保有技術に関してSkypeが保有することになり、Skypeの技術を完全にコントロールできるようになったこと、また、すべての法廷闘争が終結したことによりビジネスに集中できるようになったこと、さらに創業者である2人が取締役となり、資金も拠出することによるメリットを挙げている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/11/9 11:31