楽天・三木谷社長、eビジネス業界団体へ10万社の加盟を呼びかけ
楽天は13日、「楽天市場」の出店店舗を対象にした「楽天新春カンファレンス2010」の東京会場イベントを開催。イベントで講演した三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、自身が呼びかけ人の1人を務める「eビジネス推進連合会」の設立経緯などを説明した。
●「既得権益の力が強く、日本がIT後進国になる可能性が高い」
楽天の三木谷社長 |
「eビジネス推進連合会」は、インターネットを活用したeビジネスの推進・発展を通じた日本経済成長のために、民間の立場から各種提言や情報提供の実現を目的にした一般社団法人。楽天の三木谷社長やヤフーの井上雅博代表取締役社長ら86人が呼びかけ人となり、2月下旬に設立総会の開催を予定している。
三木谷社長は「今回、政権が交代して、ITビジネスの推進が掲げられていたが、実際には既得権益を持った団体などの力が非常に強い」と述べ、「この国がIT後進国になる可能性が非常に高いと感じている」と語った。
その上で、「残念ながら日本の官僚や政治家の方は、世界で起こっていること、この場で起きていることを、全く理解していないのではないか」とコメント。また、「個として理解していても、集まった瞬間に違うことを言ってしまう」としたほか、講演の中では「日本にとって明治維新以上のインパクトがあるインターネットという怪物を理解していないのではないか」とも述べた。
三木谷社長はこうした背景があり、ヤフーやマイクロソフト、オラクル、ミクシィ、グリー、ディー・エヌ・エーなどと連携して、「eビジネス推進連合会」を設立するに至ったという。「最終的に10万社の加盟企業を集めて、より良い環境でのインターネットビジネスを実現していきたい」と語り、カンファレンスに参加した楽天市場の出店店舗に対しても参加を呼びかけた。
eビジネス推進連合会の概要 | 「楽天新春カンファレンス2010」講演会場の様子 |
●自身の将来仮説も披露。「Edy」の利用場所は「一桁増やしたい」
将来の仮説も披露した |
三木谷社長はまた、自身が考える将来に向けた仮説を紹介。まず、楽天市場をはじめとした楽天グループの国内における市場規模について、「将来、最低でも15兆円規模になる」とした。加えて、海外取引の増加、スマートフォンやコンテンツ電子配信の普及が進むなどの予測も示した。
また、「電子マネーは必ず普及する」とも述べ、楽天と資本提携に合意したビットワレットが展開する電子マネー「Edy」に関しては、楽天市場との連携を進めるほか、現在17万カ所の利用可能場所数を「一桁増やしたい」とした。
「楽天新春カンファレンス2010」ではこのほか、楽天ユーザーによる人気投票や売上などを総合的に評価して、その年のベストショップを選出する「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2009」の受賞店舗を発表。3万店を超える出店店舗の中から、ドラッグストアを運営する「爽快ドラッグ」がグランプリに選出された。
受賞式では、グランプリを含む受賞店舗の関係者に加えて、13日に楽天とインターネットサービスを通じた地域振興に関する協定を締結した宮崎県の東国原英夫知事がゲストとして登場。また、楽天市場内の「まち楽」に情報ページを開設する都道府県の中から、茨城県の「ハッスル黄門」、奈良県の「せんとくん」、埼玉県の「コバトン」が登場し、会場を沸かせた。
「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2009」受賞店舗の受賞式も行なわれた | グランプリは「爽快ドラッグ」 |
ゲストとして宮崎県の東国原知事が登場 | (左から)「ハッスル黄門」や「せんとくん」、「コバトン」も駆けつけた |
関連情報
(村松 健至)
2010/1/13 20:33
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