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iPadの16GBモデル、製造原価は推定259.60ドル〜iSuppliが分解調査


iPad

 米調査会社のiSuppliは7日、Appleが発売したiPadを入手して分解調査した結果を発表した。このうちユーザーインターフェイス部品が占める割合が43.7%に上っており、これまでのエレクトロニクス製品にない設計思想だと分析している。

 iSuppliによると、iPadのWi-Fi版16GBモデルの推定部品コストは250.60ドル。これに製造コストを加えると、製造原価は259.60ドルと推定している。これは、2月時点でiSuppliが推定していた部品コスト219.35ドルと、製造原価229.35ドルよりも大幅に高い。ただし、これらのコストにはハードウェアと製造コストしか含まれておらず、ソフトウェアやロイヤルティー、ライセンス費用などは含まれていないことに注意が必要だ。

 このうち最も部品コストが高かったのは、ディスプレイの65ドルで、全部品コストの25.9%を占めている。ディスプレイは、9.7インチ、1024×768ピクセルのIPS液晶で、iSuppliが入手したiPadに搭載されていたのは韓国LG Display社製だった。ただし、iSuppliでは、Appleがさらに2社程度から液晶ディスプレイを調達できるようにしていると推定している。

 ディスプレイに次いでコストが高かった部品はタッチスクリーンで、30ドルだった。これは部品コストの12%を占める。タッチスクリーンは、9.7インチ静電式で、供給元は台湾のWintek社だった。

 これにタッチスクリーン用マイクロコントローラーとドライバー、マルチタッチコントローラー、オーディオ部品など合わせたユーザーインターフェイス関係の総部品コストは109.50ドルで、全部品コストの43.7%を占めていた。

 分析を担当したiSuppliディレクターでプリンシパルアナリストのAndrew Rassweiler氏は、「iPadがコンピューティング、ワイヤレス、コンシューマー世界のゲームを変えるポテンシャルを秘めている一方で、iPadはすでに、多くのエレクトロニクス製品が現在そして今後設計されるであろう方法を変えてしまっている。iPadの設計は、エレクトロニクスのコスト構造とコンテンツの新しいパラダイムを表している。既存のノートPCは、マザーボードを中心としており、ディスプレイ、キーボード、オーディオなどは、中心にあるマイクロプロセッサーとプリント基板の周辺に位置していた。iPadではこれが逆転している。すべてはヒューマンマシンインターフェイスを中心としており、プリント基板と集積回路は、コンテンツの表示とユーザー入力を助けるために配置されている」と説明している。

 3番目に部品コストが高かったのは、NANDフラッシュメモリーで、16GBモデルでのコストは29.50ドルだった。iSuppliが分解したiPadで採用されていたのは韓国Samsung Electronics社製だったが、Appleが他社からも調達を検討している可能性を指摘している。

 4番目に部品コストが高かったのは、バッテリーの21ドルで、全体の8.4%を占めていた。この3.75ボルトバッテリーは、リチウムポリマーバッテリーパックの2つのセルを1つにまとめていた。この構造は、2つの独立したセルを接続する方法よりも置き換えがしやすい。そのためiSuppliでは、将来バッテリーが置き換えられる可能性もあるとしている。

 その他の部品については、A4プロセッサーとGPUを組み込んだマイクロプロセッサーは韓国Samsung製で推定コストは19.50ドル。無線LAN、Bluetooth、FMモジュールチップは米Broadcom社製で8.05ドル。タッチスクリーンマイクロコントローラーも米Broadcom製で2.30ドル。電源管理チップは独Dialog Semiconductor社製で2.10ドル。タッチスクリーンドライバーは米Texus Instruments社製で1.80ドル。

 iSuppliは主要部品を14項目に分類し、それらの部品コストを推定しているが、これらの部品供給メーカーの中に日本企業は含まれていなかった。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/4/8 14:07