「IE9」のプレビュー第2版が公開、パフォーマンスと互換性向上


Internet Explorer 9プラットフォームプレビュー第2版

 米Microsoftは5日、Internet Explorer 9(IE9)のプラットフォームプレビュー第2版(PP2)を公開した。「www.IETestDrive.com」からダウンロード可能だ。このバージョンはIE8とは別にインストールできるが、セキュリティ機能などは搭載されておらず、ブラウザーの性能を測るための最低限の機能しかないため、Microsoftでは通常のブラウジングには利用しないよう注意を呼びかけている。

 IE9 PP2版では、パフォーマンスの向上や、HTML5のハードウェアアクセラレーション対応、マークアップ互換性の向上など、ブラウザーの基本的な機能向上が図られている。

 WebKit SunSpider JavaScriptベンチマークテストの結果によると、IE9 PP2版のベンチマーク平均は473ミリ秒となった。Safari 4.0.5(412ミリ秒)、Chrome 4.1(371ミリ秒)、Opera 10.52(294ミリ秒)などには及んでいないが、Microsoftではこれらの速度差は「まばたき程の違いしかない」と主張している。

 また、GPUアクセラレーションを利用したHTML5レンダリングが搭載され、ハードウェアを使ってWebブラウジングを高速化する試みを実体験できるようになった。このメリットとして、開発者やデザイナーがHTMLなどのマークアップを書き換えずに、そのままの状態で高速化できることにある。

 異なるブラウザーとの互換性を向上させることにも力が注がれた。IE開発チームでは、IE9は、IE7/8よりもWebKit/Gecko/Prestoに近いレベルで標準規格をサポートするとしている。HTML5アプリケーションを異なるブラウザーで動作させるための努力も払われており、W3Cに対しては新たに88のテストを送付し、IE9開発チームが送付したテストの合計数は192に上ったという。

 また、簡便な標準規格準拠テストとして利用されているAcid3のテスト結果は、3月に公開したPP1版の55点からPP2版では68点に向上した。今後、IE9がさらに多くのマークアップをサポートするようになれば、Acid3の点数も自然に増加していくとしている。

 開発者向けのツールとしては、IEの状態を示すコンソールウィンドウがフルタブとして大きく開くようになったほか、ユーザーエージェント文字列を変更できる機能も用意された。

 関心が高まっているHTML5のVIDEOタグについては、プラットフォームプレビューの第3版でサポートされる予定だとしている。

 IE9 PP2版は、Windows 7およびWindows Vista SP2に対応。Windows Vistaの場合には、IE8とDirect X 2D(D2D)を事前にインストールしておく必要がある。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/5/6 13:20