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米Microsoft、「Internet Explorer9 Platform Preview 3」公開


 米Microsoftは23日、「Internet Explorer9 Platform Preview 3」を公開した。このバージョンは開発者向けで、一般ユーザーや通常用途での利用は想定されていない。

 OSは、Windows 7/Vista SP2に対応する。なお、VistaユーザーはIE 9の導入には、すでにIE 8がインストール済である必要がある。また、このプレビュー版をインストールする際にはアップデートをインストールする必要があり、PCの再起動を必要とする。必要なアップデートは自動的にインストールされるが、インストール時にエラーが生じた場合には、手動でインストールすることも可能だ。

パフォーマンスの向上

 IE9 Preview 3のJavaScriptエンジン性能は大きく改善した。一般的ベンチマークテストであるWebKit Sunspiderで比較してみたところ、前回プレビュー版に比べて約4分の1程度高速化している。現在正式版が公開されているSafari 5.0と比べてもほとんど遜色なく、Chrome 5.0と比べても67ミリ秒の差しかない。

 しかし、Microsoftは以前から、JavaScriptのパフォーマンスはウェブのごく一部分にすぎないことを強調してきた。同社では今後とも、特定のベンチマークだけに力を入れるのではなく、実世界におけるパフォーマンスに焦点を合わせていきたい考えだ。

「SunSpider JavaScript Benchmark」の結果

ハードウェアアクセラレーション

 Preview 3では、HTML5 Canvasエレメントを初めてサポートした。IE9では、WindowsとGPUを使用し、ハードウェアアクセラレーションによってレンダリングを行う。その結果、WindowsやGPUの性能、またデスクトップのハードウェアの能力を、最大限生かしたブラウジング体験を実感できるとしている。

 IE開発チームでは、HTML5のハードウェアアクセラレーションレンダリングを使用したデモをいくつか用意している。

 たとえば、米Amazonと協力し、canvasエレメントを使用して、仮想本棚を作り、その中の本を取り出してページをめくるというデモを作成した。非常にスムースに動作し、次世代Eコマース体験と言えるようなデモとなっている。

 またInternet Movie Data Base(IMDB)とも協力し、ハードウェアアクセラレーションを使用したHTML5 videoのデモを作成した。このデモでは、canvas、videoがフルに使用され、高速に動画を選択し、表示できることがわかる。

 また同じcanvasタグを使っていても、ハードウェアアクセラレーションに対応していないMozilla Firefoxで動作させると、画面の動きが非常に緩慢になることがわかる。これらは、Microsoftが公開した動画でその様子を見ることができる。

 Microsoftでは、このブラウザーが、Webページにある全てのものを、デフォルト設定でハードウェアアクセラレーションで動作させる、初めてのブラウザーであると主張している。

IE9では、HTML5 Canvasエレメントをサポートした

マークアップの他社ブラウザーとの互換性向上

 Microsoftは、マークアップ言語の互換性を主張してきた。このプレビュー3でも数多くの改良を重ねている。例えば、HTM5のvideoとaudioタグをサポートしているため、YouTubeのHTML5版を再生できるようになっている。ハードウェアアクセラレーションはここでも使用されている。

 マークアップの標準規格に準拠していることを調べる簡単なテストとして「Acid3」がある。Microsoftはこのテストには多くの欠陥があると以前から指摘しているが、それでも今回のテストでは、点数を全バージョンの68から83にまで伸ばしたことを明らかにし、テスト結果画面を公開した。

 また同時にWeb標準規格をテストするためのテストケースを118個作成し、W3Cのワーキンググループに送付したことも明らかにした。これらのテストケースは、「IE Testing Center」にて公開されている。

 またPreview 3では、開発者から要望の多かった多くのDOMとCSS3標準規格が実装された。今後も標準規格団体や、Web開発コミュニティと協力しながら、他社ブラウザーと互換性を高めていきたい考えだ。

 また、新たにWeb Open Font Format(WOFF)をサポートした。現在MicrosoftではMozilla、Operaと協力し、W3CにWOFFファイルフォーマットを送付したい考えだ。

 IE9では、このサポートにより、ハードウェアの機能と、WindowsのDirectWrite機能を使用し、高品質のフォントをブラウザー画面でレンダリングできるとしている。この機能の比較のため、IE、Mozilla Firefox、Chromeのそれぞれの最新版で表示させた時の品質の違いを画面で比較している。

 さらに、JavaScriptの標準化にも力を入れている。IE9では、最新標準規格であるECMA-262 5th Editionのサポートを大幅に改善した。またこのためにJavaScriptに関する1309のテストケースを作成し、これらすべてを公開する予定だとしている。

 このようにIE9 Platform Preview 3では多くの改良が加えられている。開発チームでは、開発者たちに対し、このプレビュー版をデモページや自分のウェブサイトで試してみるよう強く勧めている。


関連情報

(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/6/24 09:37