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YouTube、対Viacom著作権侵害訴訟に勝訴〜セーフハーバールールに該当


 米メディア大手Viacomが米Google子会社の米YouTubeを訴えた著作権侵害訴訟で、米ニューヨーク地裁は23日、YouTubeの申し立てを受け入れる略式判決を下した。

 Viacomは米メディア大手で、同社のミュージックビデオなどのコンテンツが、YouTubeに不正にアップロードされたと主張し、2007年に約10億ドルの損害賠償を求める著作権侵害訴訟を起こしていた。

 裁判では、YouTube側が、デジタルミレニアム著作権法に定められているセーフハーバールールの適用を求めていた。セーフハーバールールとは、定められたルールのもとで行動している限り、違法行為の認定適用を免れることができるという一連の法的要件を指している。

 デジタルミレニアム著作権法では、このルールとして以下の要件が求められている。

1)サービスプロバイダーがシステムまたはネットワーク上の当該コンテンツまたは当該コンテンツを使用した行為が著作権侵害にあたることを現実に知らないこと

2)これに関する現実の知識がない場合、侵害行為が明白となる事実もしくは状況を知らないこと

3)これに関する知識もしくは認識を得た際に、速やかに当該コンテンツを削除するか、当該コンテンツへのアクセスを拒否する対策を行うこと

 今回の場合、YouTubeが著作権侵害の実態についてどの程度の「知識」を持っていたかが争点となった。

 連邦地裁判事Louis L.Stantonは、過去の判例を基に、この“知識”とは、著作権侵害されているコンテンツに関して、「特定の個別のアイテムに関する具体的で、かつ特定できる侵害に関する知識でなければならない」とした。「そのような活動が一般的に流行しているという単なる知識では不十分」とも指摘した。

 これは著作権保護に関して、個々の著作物を保護し、図書館を保護しないという法律の枠組みと似ていることも指摘した。

 また、YouTubeが著作物を認識した際には、直ちに行動したことも指摘した。Viacomが、1カ月間に約10万の動画が上がっている情報を集め、2007年2月2日に一度に削除するよう通知した際、YouTubeは次の営業日までにほとんど全ての削除を完了したことを指摘した。これは、セーフハーバールールの3項目をYouTube側が順守したことを意味する。

 こうした認定をもとに、「一般的に侵害が行われているという単なる知識があったからというだけで、サービスプロバイダーがサービスの中を監視、検索して著作権侵害を発見する義務を負うことにはならない」との判断が下された。

 こうした検証をもとに、「YouTubeはデジタルミレニアム著作権法に基づき、直接または二次的な著作権侵害の適用から除外される」との判断が示され、原告の主張を退ける略取判決を下した。

 YouTubeは、「この勝利は我々だけでなく、ウェブでコミュニケーションや体験を共有し合う何十億もの世界中の人々の勝利でもある」とコメントした。

 これに対し、Viacomは即日声明を発表し、「我々はこの判事の判決に落胆しているが、控訴審では勝てる自信を持っている」とコメント。控訴する意向を明らかにした。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/6/24 12:37