購入時に使える「楽天クーポン」開始、「EC分野で国内最大級サービス」


サービス横断でクーポンを発行・管理できるプラットフォーム「楽天クーポン」のイメージ
楽天の堀内公博氏(グループマーケティング部部長)

 楽天株式会社は27日、同社グループの各サービスにおいて、クーポンを発行・管理できるプラットフォーム「楽天クーポン」の運用を開始した。まずは8月初旬に楽天グループの株式会社ネッツ・パートナーズが運営する「楽天ネットスーパー」の加盟全店で利用可能なクーポンを発行し、「楽天市場」や「楽天トラベル」などにも順次導入する。

 楽天クーポンは、購買後に付与されるポイントと異なり、購買時に割引価格が適用される。このため楽天では、新規会員や、保有するポイント数が少ないライトユーザーの利用促進に有用と考え、今後はさらなるユーザー獲得に向けて「楽天スーパーポイント」と並ぶマーケティングツールとして活用していく。

 クーポンはメールやバナー広告、パンフレット、配送する商品への同梱などにより配布する。9月にはクーポン管理サイトを開設する予定で、ユーザーはサービスごとに発行されたクーポンの取得状況を一元的に確認できるようになる。クーポンの利用期限は最大3カ月まで。

 楽天クーポンは、楽天側で保有する会員情報や購買履歴をもとに、クーポンの配布対象を絞り込んだり、利用履歴を管理・分析できることが特徴。楽天でグループマーケティング部部長を務める堀内公博氏は、「店舗に新たなマーケティング手法を提供できる」と語る。

 「例えば、楽天市場で購入したことはあるが、楽天トラベルを利用したことがないユーザーには、楽天トラベルのクーポンを配布するといった、購買履歴に基づいたユーザーのターゲティングが可能。新聞チラシなどの既存のクーポンでは顧客のセグメント化が難しいが、楽天のデータベースを活用することで効率よくクーポンを配布できる。」

 なお、「楽天クーポン」で発行されるクーポンは、従来と同様に、楽天に参加する店舗・施設が原資を負担する「ショップクーポン」のほか、楽天の各サービスが原資を負担する「サービスクーポン」、メーカーなど外部企業が原資を負担する「メーカークーポン」がある。

 堀内氏によれば、EC分野のクーポンは「それほど使われていないのが現状」。7月20日時点で、楽天市場には3万3000店舗、楽天トラベルには7万1000施設が出店しており、「規模の面でも、オンラインショッピングにクーポンを利用できる国内最大級のサービス」としている。

 今後の展開としては、9月に楽天市場、2011年第1四半期(1~3月)までに楽天トラベルへ導入するほか、将来的には国際展開も視野に入れる。また、グルメ情報サイト「楽天ダイニング」の加盟店舗などを対象にした割引クーポンサービスも提供するなどして、「楽天クーポン」を活用して「楽天経済圏」の流通拡大を図る。

EC分野におけるクーポンサービスの導入状況購買履歴からクーポン配信者をターゲティングするイメージ
楽天ネットスーパーでの「ショップクーポン」導入事例楽天ネットスーパーでの「サービスクーポン」導入事例

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(増田 覚)

2010/7/27 16:00