NTTPC、クラウド市場に本格参入
月4800円からの「WebARENA CLOUD9」


 株式会社NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)とNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、パブリッククラウドサービス「WebARENA CLOUD9(ウェブアリーナ クラウドナイン)」を、2010年10月7日より販売開始すると発表した。利用料金は、初期費用5250円、月額料金4800円から(クレジットカード払いの場合)。

 「WebARENA CLOUD9」は、「WebARENA CLOUD9」は、NTT Comグループの会社である米国Verio社(以下Verio)が開発したクラウドプラットフォーム「CLOUD9」を、NTTPCが日本市場向けにローカライズしたクラウド型ホスティングサービス。

 NTTPCでは、中堅中小企業を主なターゲットとしており、手軽に導入できるクラウド環境提案を目指し、「すべての会社にクラウドを。」をコンセプトに、クラウドコンピューティング市場に本格参入する。

 「WebARENA CLOUD9」の提供はその第1弾となる。今後はネットワーク、Webホスティング、メールホスティング、セキュリティなどを手軽に一括導入できるパッケージ型クラウドサービスなどの提供を予定している。

 NTT Comグループとしては、すでにクラウドサービス「BizCITY」を展開しているが、中堅中小企業がより手軽に導入できるパブリッククラウドサービスとして「WebARENA CLOUD9」を提供する。

WebARENA CLOUD9サービス概要

 WebARENA CLOUD9ではCPU 1コア共有/メモリ1GB/HDD 50GBを基本スペックとして、初期費用5250円、月額費用4800円(クレジットカード支払いコース)/5640円(請求書・口座払いコース)で提供。OSはCentOSを標準OSとして搭載。グローバルIPアドレスが1つ付与される。

 アクセスの増加やリソース不足の歳には利用状況に合わせて最大CPU4コア共有/メモリ16GB/HDD 1000GBまで拡張できる。HDD 1000BGのオプション追加料金は8400円、CPU 4コア共有/メモリ16GBのオプション追加料金は2万1000円。

 申し込みからサーバー開通までの所要時間は、クレジットカード払いの場合はオンラインサインアップ後、最短3分。請求書払いの場合、申込書がNTTPCに到着後約3営業日で開通するとしている。

 機能面では、サーバーが高負荷となった場合やリソース不足の場合に、実行中の仮想マシンを別のホストに移行させるマイグレーション機能を装備。共用サーバーに同居するユーザーの高負荷によるサーバー停止などの影響を抑制する。

 また、ホストサーバーのハードウェア障害などの際には正常稼働するホストサーバーへ顧客の仮想マシン領域を移行させるフェイルオーバー機能も装備。専用の監視システムによって24時間365日監視を行うポート監視も標準機能として提供。

 コントロールパネルが用意されており、OSのインストール、プロセスの状況、監視設定などの各種設定操作はWebブラウザーだけで行うことができる。ポートマッピング機能もコントロールパネルから利用可能で、仮想OSはプライベート領域に設置されているため、必要なサービスポートだけを公開できる。これにより、不要なサービスポートが開いていることで受ける攻撃を避けることが可能となる。

 そのほかオプションサービスとして、DNSアウトソーシング(初期費用1050円、月額料金525円)、Web改ざん検知サービス(初期費用2100円、月額料金2100円~)を用意する。

フェイルオーバー機能により、ハードウェア障害時には各仮想サーバーは代替サーバーに自動移行・自動復旧するマイグレーション機能。リソース使用状況に応じてリソースに空きのあるサーバーへ自動移行。共有サーバーで同居している利用者の高負荷による影響を抑制する
利用状況に合わせて、4コア共有/メモリ16GB/HDD 1000GBまでオンデマンドで即時拡張可能仮想サーバーはプライベートネットワーク空間に設置されているため、ポートマップ設定機能を使って必要なポートだけを開けて利用できる

機能強化のロードマップ

 今後実装予定の機能としては、2011年の第1四半期に、データをセルフケアでバックアップおよびリストアする「バックアップ/リストア機能」、CPU・メモリ・ディスクのサーバーリソース利用状況に応じて、あらかじめ設定した上限までリソースを自動的に拡張する「オートスケールアップ機能」、サーバーリソースを使った分だけ支払う「従量課金プラン」の提供を予定。

 さらに、2011年第3四半期には複数のクラウドサーバーをロードバランシングする「ロードバランシング機能」、WebサーバーやDBサーバーなどの複数台構成を共用サーバーで利用できる「複数台構成機能」、リソース利用状況に応じてあらかじめ予約したサーバー台数、ネットワーク帯域までシステムが自動で増設・複製を行ない、ロードバランスも自動で拡張対応する「オートスケールアウト機能の提供を予定する。そのほか、2011年第3四半期にはWindows OSにも対応する予定だ。

 VerioとNTTPCは、共にホスティングサービスを提供するNTT Comグループの会社で、Verioはクラウドプラットフォームの開発・保守・運用を担当、NTTPCは仮想OSおよび日本語対応コントロールパネルの開発および日本国内のお客さま向け販売と運用サポートを担当する。

2011年秋予定の「オートスケールアウト機能」では、リソースの使用状況に応じて、自動でサーバー増設(クローニング)を行う「WebARENA CLOUD9」開発計画ロードマップ

関連情報

(工藤 ひろえ)

2010/10/7 15:15