24時間で20万ダウンロードされた、専門家による福島原発事故のやさしい解説


 カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学科のMonreal教授が、福島原発事故をわかりやすく解説した講演スライドを、日本の専門家が翻訳した日本語版のPDFファイル「福島原発の放射能を理解する」が公開された。公開後、ダウンロードが24時間で20万を超えたと、翻訳者の一人である理化学研究所 仁科加速器研究センターの橋本幸士氏がTwitterでつぶやいている。

 内容は、ミリシーベルトとマイクロシーベルトなどニュースに出てくる単位の説明や、放射線量とがん発生率の関係、急性の放射線障害が起きた過去の例と浴びた放射線量のデータなどを具体例を上げてわかりやすく説明している。

 また、メルトダウンとスリーマイル島事故と福島第一原発2号炉事故、チェルノブイリ事故を、それぞれどういう事故なのかがわかりやすく図解されている。放射能、放射線、放射性物質について知っておきたい基本的知識が必要かつ十分な範囲でまとめられており、一度は目を通しておきたい。

 スライドのまとめで、Monreal教授は、私見として、初期避難とヨウ素131の摂取をコントロールする必要はあるが、福島原発の放射能の危険は最悪の場合でも軽減可能であり、局所的であるとしている。

 なお、Monreal教授の講演は16日に行われた。このため、福島原発事故の影響についての予測は、16日時点での情報をもとにしたものとなっている。


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(工藤 ひろえ)

2011/3/22 02:23