放射線・原発関連書籍・記事の無料公開まとめ~岩波、丸善、化学同人など
東日本大震災の発生後、出版各社が過去に紙で発行した書籍や雑誌の記事をウェブサイトで無料公開する動きが広がっている。被災地における医療や育児、震災復興や都市計画に役立ててもらったり、放射線や原発などについての知識を持ってもらうのが狙いだ。
今回はそのうち、福島第一原発の事故を受けて関心が高まっている放射線や原発に関するものを集めた(4月8日時点で編集部で把握しているもののみ。掲載は出版社名の五十音順)。
なお、刊行されてから年数が経っている書籍・記事もあるため、利用する際にはそのことに留意しておく必要がある。
◆医学書院
http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/311care.html
被災地の医療従事者向けに、主に雑誌の災害医療・災害看護などに関する記事をPDFで公開。放射線に関するのは、「助産雑誌」2004年11月号の特集記事「妊娠と放射線」、2005年7月号の記事「子どもと私たちの生活における放射線被ばくの健康リスクを考える」。
◆医歯薬出版
http://www.ishiyaku.co.jp/pickup/20110322_info.aspx
震災関連の雑誌記事を、5月末までの予定でPDFで公開している。放射線・原発関連は、週刊「医学のあゆみ」224巻2号(2008年発行)の記事「広島・長崎放射線影響研究所コホート研究」、231巻4号(2009年発行)の記事「チェルノブイリ原発事故から甲状腺癌の発症を学ぶ―エビデンス探索20年の歴史を辿る」。
◆岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/company/information.html
雑誌「世界」2011年1月号の特集「原子力復興という危険な夢」の中から3論文、雑誌「科学」1997年10月号、1999年1月号からそれぞれ1論文をPDFで公開。
◆化学同人
http://www.kagakudojin.co.jp/news/n2140.html
書籍「ベーシック薬学教科書シリーズ12『環境』」の中から「放射線の性質と生体への影響」のページ、「新人研究者・技術者のための安全のてびき」の中から「放射性物質とX線の安全な取り扱い方」の章をPDFで公開。
◆講談社
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/bluebacks/special/nuclearinstallation.html
自然科学を扱う新書シリーズ「ブルーバックス」で2001年刊行の「日本の原子力施設全データ」の中から、第1部「原子力発電の基礎知識」と、第3部「原子力事故と安全対策」の一部をPDFで公開。
◆南山堂
http://www.nanzando.com/announce/20110328/index.php
書籍・雑誌に掲載された震災関連記事をPDFで公開。放射線に関するものとしては、雑誌「治療」2002年4月号の記事「放射線テロへの緊急対応」がある。
◆ニュートンプレス
http://www.newtonpress.co.jp/newton/radiation/html/radiation.html
雑誌「Newton」2008年10月号に掲載の記事「身近な“?”の科学【放射線】 どんな種類がある? 人体への影響は?」をHTMLおよびPDFで公開。
◆文一総合出版
http://www.rikatan.com/
雑誌「RikaTan 理科の探検」2010年12月号の特集記事「放射線と放射能」の中から、「放射能や放射線って何だろう?」をPDFで公開している。
◆丸善出版
http://pub.maruzen.co.jp/index/kokai/
地震・津波、放射線、心理学分野の書籍の本文をPDFで公開しているが、放射線に関するものが多い。書籍としては、「身近な放射線の知識」の前書きも含む全1~5章、「知っていますか? 医療と放射線 放射線の基礎から最先端の重粒子線治療まで」の中の第1章「やさしい放射線の基礎知識」がある。雑誌では、「パリティ」2000年9月号に掲載の記事「放射線の危険性と倫理」および「臨界事故と放射線防護」。このほかにも、「リスク学用語小辞典」から放射線・原子力・健康影響に関する用語集の部分、「元素の百科事典」からセシウム・プルトニウム・ヨウ素の項目、さらに「理科年表 平成23年版」や「理科年表シリーズ マイファーストサイエンス よくわかる身のまわりの現象・物質の不思議」も公開している。なお、いずれのタイトルも章ごと・項目ごとのPDFとなっているが、8日17時現在、アクセスが集中し、閲覧しにくい状況になっている。
関連情報
(編集部)
2011/4/8 19:17
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