米非営利財団、大学学部レベル教科書の無料提供者に2万ドルの賞金


 米国の非営利財団The Saylor Foundationが、大学学部レベルの教科書を無料提供するために、著作権者に対し2万ドルの賞金を提供するキャンペーン「The Open Textbook Challenge」を行っている。

 教科書の著作権者が同財団に対して権利を提供、同財団の審査を通過し、講義資料として受理された場合に賞金を提供するというものだ。

 また、教科書の著作権者を推薦するためのアフィリエイトキャンペーンも展開する。自分のTwitterやFacebookに同財団へのリファーラルリンクを掲載し、その結果として教科書が財団に提供された場合には、250ドルの賞金が提供されることになる。

 The Saylor Foundationは「大学学部レベルの教育はすべての人が無料で受ける権利を持つ」とのビジョンのもとで、講義に必要な資料を無料で提供している。同財団によれば、「4年制私立大学に通う平均的学部学生は、教科書代として毎年1000ドル以上を費やしており、これは米国だけで講義資料のために数十億ドルが費やされていることになる」と指摘している。同財団は、これらの資料を無料で提供しようとしているわけだ。

 現在募集している教科書のジャンルは、理系では数学、コンピューターサイエンス、化学、生物学、機械工学、文系では政治学、経済学、経営学、心理学、歴史学、英文学、美術史となっている。

 いずれの教科書も、標準的な英語で書かれ、編集可能な状態で(スキャンしたものであってはならない)、クリエイティブコモンズアトリビューション3.0ライセンスで提供することに合意しなければならない。最初の賞金提供期限は11月1日となっており、受理された教科書は2012年1月31日に発表され、それと同時に第2次募集も開始される予定だ。


関連情報

(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/9/7 11:52