大学サイトの使いやすさ“本末転倒”傾向も、トップページが年々見にくく


 日経BPコンサルティングは28日、大学サイトのユーザビリティ(使いやすさ)を評価した「全国大学サイト・ユーザビリティ調査2011/2012」の結果を公表した。調査は9月1日から10月31日まで、国立・公立・私立を合わせて211大学のサイトを対象に実施した。

 使いやすさの指標となるスコアは「トップページ・ユーザビリティ」「サイト・ユーザビリティ」「メインコンテンツへのアクセス」「アクセシビリティ」「ブランディング」「インタラクティブ」「プライバシーポリシー」の7分野、合計100点満点で採点した。

 スコアが最も高かったのは大阪府立大学で95.79点、2位は岡山大学で94.40点、3位は電気通信大学で92.86点の順だった。全国平均スコアを見ると、前回の53.79点から55.68点へと上がっていた。

 その一方、個々の診断項目にはユーザビリティが悪化している項目もあった。特に目立ったのが「トップページの長さ」。ページが長くなるとスクロールが必要になり、情報が見渡しづらくなるため、ユーザビリティ上は減点の対象となる。

 日経BPコンサルティングによれば、トップページの長さは年々長くなっているといい、調査で定めた長さの基準をクリアしていないトップページは、前回の115サイト(57.5%)から、今回は155サイト(73.5%)へと大幅に増えていた。

 長くなったトップページの構成を見てみると、最初に表示される画面(ファーストビュー)には動きのあるFlashコンテンツや大きなイメージ画像を表示させ、続いてその下にニュース/トピックス欄を掲載する例が多かった。

 特にニュース/トピックス欄がトップページを長くする大きな要因となっており、「大学概要」や「入試情報」といった、大学サイトにとって最も重要と思われるリンクまでもがファーストビューに表示されないサイトも散見されたという。

 「大学サイトでイメージ作りに注力したい気持ちはわかる。しかし、ウェブサイトはイメージ以上にコンテンツへの誘導や機能の利便性が重要である。本末転倒の傾向は改める必要がありそうだ。」(日経BPコンサルティング)


関連情報

(増田 覚)

2011/11/29 06:00