クラウドゲーム「OnLive」がGoogle TVに対応、テレビでコンソール級ゲームが


 米OnLiveは11日、同社のクラウドゲームサービス「OnLive」がGoogle TVに対応したと発表した。近日中にコンソールゲームやPCゲームをGoogle TV端末で実際にプレイできるようにすることを目指し、Googleと連携して開発を進めている。

 OnLiveのクラウドゲームサービスは、強力なマシンパワーを必要とするゲームを、非力なPCやタブレット端末でもプレイできるようにするものだ。3Dグラフィックス演算などはOnLiveのクラウドコンピューター側で実行し、そのゲーム画面が映像として、OnLiveビューアーアプリにストリーミングされる。この仕組みによって、PCやMacのほか、タブレット端末でもコンソール級ゲームをプレイできるようになった。

 OnLiveのゲームは、PCやMacではキーボードで、テレビではコンソールゲーム機のようなOnLiveコントローラーを使って操作できる。また、iPadなどのタブレット端末では、タップ操作によってプレイすることも可能だ。

 OnLiveは、各種ゲームのトライアルプランを無料で提供しているほか、複数のゲームを料金パックとして提供する月額課金プランを用意している。このほか9日には、OnLiveクラウドでWindows 7を動作させ、iPadでWindows 7を利用できる仮想デスクトップサービスの提供を開始したことも発表している。

 今回発表したGoogle TVへの対応では、OnLiveビューアーアプリのみの提供となった。そのため現時点では、他のユーザーのプレイ映像の視聴とソーシャル機能の利用に限定されている。しかし、OnLiveのSteve Perlman創業者兼CEOは「OnLiveはGoogleと密接に協力しており、Google TV上で世界中のゲーマーがOnLiveでの完全なゲームプレイ体験の実現を目指している」とコメントしている。

 ラスベガスで開催されているIT・家電関連の展示会「2012 International CES」では、OnLiveビューアーアプリが搭載された米VISIOのGoogle TV端末が展示されている。今後、他社製Google TV端末にもOnLiveアプリが組み込まれて出荷されるという。

 現時点でGoogle TVは当初期待されたほどの成功は納めていない。最も必要とされているのはコンテンツであり、OnLiveはゲームというキラーコンテンツを提供できる可能性がある。また、プラットフォームに依存しないでコンソールゲームをプレイできるようになれば、他社製コンソール向けゲームメーカーの脅威になる可能性すらある。

 今のところOnLiveは利用要件として「米国またはカナダ在住で18歳以上」という制限を設けており、残念ながら日本国内から利用することはできない。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/1/12 12:25