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学校への外部ティスプレイ導入で、ほぼ全員が業務効率アップを実感~マウスコンピューターと大阪教育大学が共同研究

 株式会社マウスコンピューターは7月30日、国立大学法人大阪教育大学との共同研究「液晶ディスプレイ導入による校務効率化の効果検証」の成果を発表した。

 同研究は、学校現場における教職員の校務負担軽減と業務効率化を目的として、外付けの液晶ディスプレイを導入することによる効果を検証したもの。企業の現場における研究事例では、外付けディスプレイの導入により業務効率が向上したとの報告が複数ある。また、文部科学省が策定した「学校のICT環境整備3か年計画(2025~2027年度)」では、教員1人1台の業務用ディスプレイの整備が明記されている。このような背景を踏まえて、研究が行われた。

 北海道木古内町、長野県飯山市、大阪市の小中学校10校に5月中旬から合計28台の23.8型液晶ディスプレイ「iiyama ProLite XUB2497HSN-B1」を導入。6月上旬から中旬にかけて液晶ディスプレイを利用した教職員に対してのアンケート調査を行い、6月中旬から下旬にかけてはヒアリングを行った。

 利用形態に関しては、導入した10校それぞれの判断に委ねており、ノートパソコンのサブディスプレイや、会議や打ち合わせで資料を提示するなどの用途で使用されていたという。

校長室の机の上で利用している様子(木古内市立木古内中学校)
打ち合わせの際に利用(飯山市立城北中学校)

液晶ディスプレイの導入で業務効率の向上と作業時間の減少を実感

 液晶ディスプレイを導入することでパソコンによる業務の効率がどのように変わったかをたずねた質問では、24人中23人が「効率が良くなった」と回答した。自由回答でその理由をたずねたところ「複数の資料を同時に見ながら作業することができる」「画面を大きくして作業ができて助かった」「他の人に対して説明しやすい」などの回答があった。

液晶ディスプレイを導入することで、パソコンによる業務の効率がどのように変わったと思いますか

 効率が良くなったと回答した人に対して、業務の時間がどのように変わったかをたずねた質問では、23人中19人が「作業時間が短くなった」と回答した。

液晶ディスプレイの導入前と比べると、パソコンによる業務の時間はどのように変わったと思いますか

液晶ディスプレイの設置場所には課題が

 液晶ディスプレイの導入が校務の効率化につながった一方で、活用に向けた課題も明らかになった。校長など管理職の場合は机上のスペースに余裕があるケースが多いが、一般職員室の教員の机は比較的狭く、設置スペースに困ったという声があったという。

 報告書では、モニターアームの使用や、机の配置変更などの対策が考えられるとしている。

 そのほか、机の向こう側の教員と会話しにくくなったというコメントや、液晶ディスプレイに個人情報を表示していると気を遣うというコメントもあった。

 発表資料では、液晶ディスプレイの導入は、比較的安価な設備投資であるにもかかわらず、「校務の効率化」や「教員の働きやすさの改善」への効果が高いと考えられることから、校務DXの手段の1つとして、教育現場での液晶ディスプレイの導入が進むことを期待したいとしている。