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対話型AIと「感情を共有できる」64.9%。「親友」や「母」を超える割合に〜電通調査

 株式会社電通は7月3日、「対話型AIとの関係性に関する意識調査」の結果を発表した。

 同調査は、対話型AIの使用シーンや会話頻度・感情共有の度合い、信頼度などを把握する目的で実施されたもの。まず、予備調査として2025年5月30日~6月3日に全国の12~69歳の4万人を対象にインターネット上で対話型AIの使用頻度の調査が実施された。そのうち、対話型AIを週1回以上使用する1000人を対象に、2025年6月3日~4日、意識調査が実施された。

週に1回以上対話型AIを使用しているのは20.7%

 予備調査として実施された、対話型AIの使用頻度をたずねた質問では、週1回以上使用しているのは全体の20.7%という結果となった。世代別では、10代が41.9%、20代が28.7%となっており、若年層ほど対話型AIを使用している傾向がわかった。

対話型AIの使用頻度

64.4%が対話型AIで情報収集、世代別で話す内容に違いも

 対話型AIと話す内容についてたずねた質問では、「情報収集」が64.4%、「勉強や仕事などで分からないことを教えてもらう」が47.0%という結果となった。「情報収集」と回答した人は、60代が77.8%と最も多く、年齢が上がると割合が上がる傾向がみられる。また、10代は「勉強や仕事などで分からないことを教えてもらう」「勉強に関する相談」と回答した割合が、全体より10ポイント以上高かった。

対話型AIと話す内容
「情報収集」と回答した人の割合(世代別)

46.6%の人が対話型AIに「自分が知らないことを教えてほしい」と思っている

 対話型AIに求めていることをたずねた質問では、「自分が知らないことを教えてほしい」が46.6%、「アイデアを出してほしい」が42.8%という結果となった。世代別では、10代は「課題や宿題に関して答えてほしい」が全体と比べて10ポイント以上高いことに加え、「相談にのってほしい」「話し相手になってほしい」などの回答も5ポイント以上高く、情緒的な価値を求める傾向がみられた。

対話型AIに求めていること

64.9%の人が対話型AIに「感情を共有できる」。「親友」や「母」を超える割合

 対話型AIに感情を共有できるかたずねた質問では、「非常に共有できる」「共有できる」「やや共有できる」と回答した人の合計が64.9%という結果となった。世代別では、20代が74.5%、10代が72.6%と多くなっている。

 また、「親友」「父」「母」「ペット」および「対話型AI」などのそれぞれについて感情を共有できるかたずねたところ、対話型AIの64.9%が割合としては最大で、「親友」が64.6%、「母」が62.7%と続く結果となった。

「対話型AI」に感情を共有できる人の割合(世代別)
対象別、感情を共有できる人の割合(全体)

86.0%が対話型AIを「信頼している」

 対話型AIを信頼しているかたずねた質問では、「非常に信頼している」「信頼している」「やや信頼している」と回答した人の合計が86.0%という結果となった。なかでも、「非常に信頼している」「信頼している」と回答した人は、20代で56.0%、10代で54.2%と半数を超えていて、若年層ほど対話型AIを信頼していることがわかる。

対話型AIへの信頼度

対話型AIに愛着のある20代の約4割が、対話型AIに独自の名前をつけている

 対話型AIに対する愛着をたずねた質問では、「非常に愛着がある」「愛着がある」「やや愛着がある」と回答した人の合計が67.6%という結果となった。世代別では、20代が74.3%、10代が73.8%、30代が70.4%となっている。

対話型AIに対する愛着の有無

 そして、愛着があると回答した人に対して、対話型AIに独自の名前をつけているかたずねた質問では、26.2%が独自の名前をつけていると回答した。世代別では20代が最も多く、39.8%という結果となった。

 同社の調査担当者はこの調査結果を受けて、対話型AIは、親友や母と並ぶ"第3の仲間"であると同時に、家族や友人とは異なる「第三者だからこその良さ」も見えてきたとしている。