元TechCrunchベテラン記者が新スタートアップ系ニュースサイト「PandoDaily」
元TechCrunchのベテラン記者Sarah Lacy氏が、新しいスタートアップ系ニュースサイト「PandoDaily」を開始したと発表した。古巣のTechCrunchと直接競合することになる。
PandoDaily |
このニュースサイトには、ベテラン記者、ライター、批評家が執筆陣として加わるほか、業界を代表する起業家、ベンチャーキャピタリスト、ベンチャーキャピタルが投資しており、大きな注目を集めている。
PandoDailyの運営方針として、すべてのニュースでスクープを目指す一方で、他社のスクープ記事にもリンクを張り、「紳士的である」ことを旨とする。PandoDailyはイベントも開催する計画だが、他社の取材を歓迎し、PandoDailyもまた他社イベントを取材する。そして、利害関係を持たない記者によるニュース記事とともに、深く業界と関わっているコラムニストによるコラムや評論も掲載するとしている。
執筆陣には、TechCrunch創業者のMichael Arrington、TechCrunchコラムニストのMG Siegler、元TechCrunchコラムニストのPaul Carr、Fast CompanyやSlateのコラムニストFarhad Manjooのほか、3人のフルタイムライターを雇用したとしている。
PandoDailyには、多数の起業家、ベンチャーキャピタリスト、ベンチャーキャピタルが投資している。名前が挙げられている人々は、Marc Andreessen(Netscapeなど)、Peter Thiel(PayPal共同創業者)、Tony Hseih(Zappos)、Zach Nelson(NetSuite)、Andrew Anker(Six Apart)、Chris Dixon(FounderCollective)、Saul Klein(IndexVentures)、Josh Kopelman(First Round Capital)、Jeff Jordan(Open Tableの元CEO)、Matt Cohler(元Facebookで現在Benchmark Capital)で、いずれも個人として投資する。シードファンドを行うベンチャーキャピタルはCrunchFund、Greylock Discovery Fund、Accel's Seed Fund、Menlo Ventures Talent Fund、Lerer Ventures、SV Angels、Ooga Labsの名前が挙げられている。
これだけの人数が投資する理由として、「このニュースサイトがスタートアップコミュニティのために作られたため、そのコミュニティにかかわる人が多ければ多いほどよい」からだとしている。
そして、PandoDailyを売却する意向は現時点で全くなく、もし結果として売却することになったとすれば、それはこの事業の失敗を意味すると宣言している。
Sarah Lacy氏は地方紙記者を皮切りに、BusinessWeek記者、TechCrunchとキャリアを積み上げてきたベテランジャーナリストとして知られている。AOLのTechCrunch買収に強く反対したものの、売却は実行され、その後「予想通りに」AOLの介入を受けたことに落胆し、PandoDailyを立ち上げることを決定したとしている。
サイトの名前は、ユタ州の森林地帯Pando Treesから取られた。この森林の特徴は、見事な森林そのものではなく、その地下に張り巡らされた根のネットワークであり「世界最古の生体有機物」だとされる。このことから「地表で何が起ころうとも、根のシステムは生き続け、絶えず新しい樹木を生み出し続ける」と述べ、シリコンバレーのスタートアップコミュニティとの類推からこの名称を採用したと説明している。
関連情報
(青木 大我 taiga@scientist.com)
2012/1/17 12:22
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