国立情報学研究所、人間関係向上のきっかけを提供するライフログアプリ


「人間関係向上計画」のアイコン

 国立情報学研究所(NII)は、ライフログを活用したAndroidアプリ「人間関係向上計画」を8日にリリースしたと発表した。通話やメールのデータを収集し、ユーザーの人間関係を可視化、人間関係向上のきっかけを提供するという。Android 2.0以上に対応しており。Google Playよりダウンロードできる。

 同アプリで収集するのは、通話、SMS、Gmail(オプション)のデータ。それらをもとにやり取りの頻度や関係の強さなどの視点から、人間関係の絆の強さと距離を同心円状の画面上で図示する。現在だけでなく、過去からの絆・距離の変遷もアニメーションで確認可能。このほか、電話帳に登録されている人の名前を選択すると、その人との連絡頻度の変遷をグラフ表示する機能などもある。

 人間関係向上計画は、社会関係資本論(人々のつながりや信頼、助け合いの規範などが、経済発展や民主主義社会の円滑な運営を促すプロセスについての理論)をベースに、情報通信技術を活用して豊かな人間関係と活力ある社会を実現することが目的。日米を中心とした国際比較研究の一部として実施しており、すでに予備実験で約1000人のデータを収集。今回のアプリ公開により、日本で2000人の利用を目指すとしている。

 なお、NIIでは、収集するデータは不可逆暗号処理を施すため、ユーザーおよびコミュニケーション相手の電話番号やメールアドレスが特定されることはないほか、通話内容やSMS、メール本文も一切記録されないと説明。また、取得した情報は純粋な学術研究のみに使用し、外部に提供したり研究以外の目的に使用することは一切ないとしている。


インストール時の同意確認画面人間関係の絆の強さ・距離の表示過去から現在までの絆・距離の変遷
電話帳に登録されている人との連絡頻度グラフアンケートに回答すると、他ユーザーの傾向と比較可能アンケートに回答すると、研究のフィードバックを閲覧可能




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(永沢 茂)

2012/4/10 14:29