講談社、才能発掘を目的とした参加型サイト「プロジェクト・アマテラス」
講談社「プロジェクト・アマテラス」 |
株式会社講談社は、新たな才能の発掘やユーザー参加型のデジタルコンテンツ作成、新しいプロモーション手法の開発などを目的としたウェブサイト「プロジェクト・アマテラス」を4月25日に開始する。既にサイトは公開されており、ユーザー登録も行える。
プロジェクト・アマテラスは、理想の電子書籍の形を考案するプロジェクトや、新作小説の世界を構築するプロジェクト、読者参加型コミックのプロジェクトなど、講談社の各種読者参加型プロジェクトを実施するウェブサイト。ユーザーは無料の会員登録を行うことで、各プロジェクトに参加し、コメントやコンテンツの投稿などを行える。
既にサイトは公開されており、現時点では14件のプロジェクトで参加を募集している。プロジェクト「姑獲鳥の夏」は電子書籍に関する取り組みで、京極夏彦氏の小説「姑獲鳥の夏」が底本テキストとして、イラスト、デザイン、装幀、フォーマットなど、新たな電子書籍の形を参加者とともに考案・作成する。また、京極夏彦氏の「百鬼夜行シリーズ」の現代を舞台にした作品の展開を参加者とともに作り上げていくプロジェクト「百鬼夜行 Next Generation」も実施する。
このほか、週刊少年マガジンに連載されていた「MMR」のオリジナルメンバーが再結集し、ユーザーから募集した謎にチャレンジする「MMRプロジェクト」や、講談社ノベルズから発売される西尾維新氏の小説「悲鳴伝」のキャラクターイメージをユーザーから募集するプロジェクトを開催。新人賞的な取り組みとしては、これから書く小説の「一番読ませたい部分」を8000字以内で募集し、編集者やユーザーに好評であれば続きを募集し、作品として刊行を検討する「ワルプルギス賞」プロジェクトも開催する。
各種の読者参加型プロジェクトを実施 | 講談社新事業プロジェクト部長の唐木厚氏 |
講談社新事業プロジェクト部長の唐木厚氏は、「出版社としてこれまでも才能の発掘を新人賞など公募の形で行なってきたが、デジタル時代の新たな才能を発掘するべく、新規事業を立ち上げた」と説明。プロジェクト・アマテラスは「いままで出版社が窓口を持たなかったあらゆるタイプの才能の発掘」「ユーザー参加型でのデジタルコンテンツの作成」「新たなプロモーション手法の開発」の3つを目的として、デジタルコンテンツにおける新たな制作スタイルを提供していき、「出版社ができるデジタル上でのあらゆる実験をこの場で行なっていく」と語った。
実施するプロジェクトについては、「開始後2~3カ月で30程度、将来的には常時50程度のプロジェクトが動いているようにしたい」と説明。当初は講談社や関係者がプロジェクトを立ち上げる形になるが、タイアップなどで他の企業もプロジェクトを実施できるようにしていき、将来的な課題としては一般のユーザーもプロジェクトを実施できる方策についても考えていきたいとした。
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(三柳 英樹)
2012/4/23 17:40
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