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青少年のネットリテラシーを計測・分析へ、スマホ普及で内閣府が基本計画案


 内閣府の子ども・若者育成支援推進本部が、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第2次)」の素案をとりまとめた。ウェブサイトで公開しており、5月29日から6月15日までパブリックコメントを受け付ける。

 現行の基本計画は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年ネット環境整備法)」に基づいて2009年6月日に決定されたもので、3年後をめどに見直すことになっていた。

 内閣府が2011年6月に実施した調査によると、青少年の携帯電話・PHSにおけるフィルタリングの利用率は、小学生で約76%、中学生で約70%、高校生で約50%。2009年10月の調査では小学生で約62%、中学生で約55%、高校生で約39%だったことと比較し、一定の普及が確認できるとしている。

 一方で、フィルタリングの利用率はやや伸び悩み傾向にあるという。また、スマートフォンなどの新たな機器が登場。今後、青少年にも普及し、青少年のインターネット利用の形態・場面が変化していくことが考えられることから、新たな課題について検討し、今後3年間に重点的に取り組むべき施策を明らかにするため、新たな基本計画を策定するとしている。特に留意すべき項目として、「スマートフォンを始めとする新たな機器への対応」「保護者に対する普及啓発の強化」「国、地方公共団体、民間団体の連携強化」の3項目を挙げた。

 基本計画の構成は、1)青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策についての基本的な方針、2)青少年のインターネットの適切な利用に関する教育及び啓発活動の推進に係る施策に関する事項、3)青少年有害情報フィルタリングの性能の向上及び利用の普及等に係る施策に関する事項、4)青少年のインターネットの適切な利用に関する活動を行う民間団体等の支援に関する事項、5)その他青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する重要事項、6)推進体制等――となっており、現行から変更はないが、それぞれ新たな取り組みが追加されるなどしている。

 まず、1)の基本的な方針では、取り組みを実施する際に踏まえるべき考え方という項目が新たに明記された。具体的には、「リテラシー向上と閲覧機会の最小化のバランス」「保護者及び関係者の役割」「受信者側へのアプローチ」「民間主導と行政の支援」「有害性の判断への行政の不干渉」という5項目となる。

 次に、2)の教育・啓発活動の推進においては、「社会における教育・啓発の推進」の項目の中に、「サイバー防犯ボランティア育成・支援の推進」および「インターネットリテラシーに関する指標策定の取組」を追加した。リテラシーについては、「スマートフォンを始めとする新たな機器の出現などにより、青少年が安全に安心してインターネットを活用するために必要なリテラシーが多様化しているところ、青少年のインターネットリテラシーに関する指標を策定し、これを青少年に適用することで、青少年のインターネットリテラシーを計測し、その分析結果に基づいたインターネットリテラシーの向上施策を推進する」としている。

 さらに、3)のフィルタリングの性能向上・利用普及の章でも、「新たな機器及び伝送技術への対応」の取り組みとして、スマートフォンに言及している。「環境変化が激しいインターネット利用については、スマートフォンなどの新たな機器やWiFiなどの伝送技術が普及することに対応して、民間団体の自主的な取組の在り方も踏まえて、今後の具体的なフィルタリングの実施方策等について、第三者機関の関与も含め、関係省庁が連携して継続的に検討する」としている。

 また、「青少年保護・バイ・デザインを念頭に置いた新たな機器等の設計等の支援」も盛り込んだ。「青少年を取り巻くインターネット環境においては、次々と新しい機器が出現し、青少年に普及するところ、新たな機器やサービスを提供する場合は、その設計段階から青少年が利用することを想定し、青少年に対するインターネット上の危険性をあらかじめできるだけ小さくしておくことが重要であることから、実効的な青少年保護を組み込んだ形で、機器の設計、サービスの設計、事業者内部及び事業者間の体制の整備等(青少年保護・バイ・デザイン)が行われるように民間の取組を支援する」としている。

 このほか、国際連携の推進などの取り組みも盛り込んでいる。


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(永沢 茂)

2012/5/29 14:33