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米Appleが「iOS 6」を発表、独自地図の採用やFacebook統合など


 米Appleは11日、iPhone/iPad/iPod Touch向けモバイルOS次期バージョンとなる「iOS 6」をお披露目した。Apple独自開発の3D地図の採用や、Siriの新iPad対応、Facebookとの統合、チケット管理アプリ「Passbook」、電話メール機能の強化など、200以上の新機能が搭載されている。

 iOS 6は、iPhone 4S/4/3GS/iPod Touch(第4世代)/新型iPad/iPad 2に対応し、今年秋に無料でソフトウェアアップデートとして提供される。機種によっては全ての新機能は利用できない。

 新機能の中では、Apple独自開発の地図が特に興味を引く。この地図は滑らな操作感で地図の移動や拡大縮小、ベクターグラフィックによる地図データの表示ができる。Siriに対応し、音声で操作可能だ。都市部では、写真のような3Dグラフィックスで空を飛んでいるかのように町を表示できる。これは先週Googleが発表した地図と似ているように見える。

 またナビゲーション機能にも力が入っており、日本のカーナビのようだ。音声による操作に加え、リアルタイムの交通情報データを匿名で収集し、それによって目的地までの到達時間を知ることができるほか、途中でルート変更も可能。さらに、地図には1億超の企業や商店情報、米Yelpのレーティングやレビューなども含まれている。

 Siriも新型iPadに対応し、今回初めてiPadに対応したことになる。これまで英語、日本語、フランス語、ドイツ語に対応していたが、対応言語をさらに5カ国語追加し、15カ国での利用に最適化された。また機能強化が行われ、FacebookやTwitterへの近況アップデート、音声だけでiPhoneを操作できるハンズフリー機能が追加されている。

 iOS 5では、TwitterがOS自体に統合されたことが注目された。iOS 6では、新たにFacebookがOSに統合され、Facebookの近況アップデートなどを通知センターやSiri、Facebook対応アプリから行えるようになった。コンタクト、カレンダー、スケジュールイベントの情報をFacebookと同期できるようになり、App StoreやiTunesには「いいね!」ボタンが追加されている。

 さらに、フォトストリームが共有できるようになった。共有したい写真を選択し、アルバムを作成して友人たちと共有できる。共有アルバムは、iOS端末に限らず、MacのiPhotoやAperture、AppleTVで共有可能だ。

 興味深い新アプリとして「Passbook」アプリが発表された。これは飛行機のチケットやコンサートの入場チケット、プリペイドカード、クーポン券などをまとめておくためのアプリだ。

 Passbookは、特定の時刻や現在位置に応じてロックスクリーン上に適切なパス(チケットやクーポン券など)を表示する。Appleでは、「行きつけのコーヒーショップに着くと同時にクーポン券が表示され、その場でコーヒーを購入可能」「空港で最終登場時刻や飛行機の遅れのアラートを通知可能」だとしている。

 iPhoneで重要な通信機能も強化されていることも注目点の一つだ。新しい「Do Not Disturb」機能を利用すると、様々な通知がアプリ使用中に画面に表示されないようにできる。その間の通知内容は後で見返すことができるので、今の作業に集中できる。また機能を使用中でも、特定の通話のみを受けるように設定するなど、様々なカスタマイズが可能だ。

 また、これまでWi-Fi接続でのみ使用できていたテレビ電話のFacetimeが、3G/4G回線でも利用できるようになった。Apple ID、iMessageと電話番号が統合され、Facetimeの通話をMacやiPadからも受信可能だ。また「VIP Mailbox」機能により、VIPと認定した人からのメールを即座に見ることができる機能も追加されている。

 これ以外にも、評判の良いアクセシビリティ機能がさらに強化された。新機能として追加された「Guided Access」では、iOS端末のハードウエアボタンすべてを使用不可にし、1つのアプリのみを使用できるように設定できる。集中することが難しい障害をもつ人々を支援できるほか、学校教育機関でのテストなどにiOS端末の使用が可能になる。この機能では、画面の特定の範囲のみをタッチ可能にすることもできる。

 また、中国向けにカスタマイズされたiOSも提供される。中国語向け入力機能の強化、中国のWebサービス、例えばBaidu、Weibo、Youku、Tudouサービスとの統合が含まれている。

 iOS 6の正式公開は今年秋となるが、開発者向けにはiOS 6ベータ版とソフトウェア開発キットが、iOSデベロッパープログラム会員に向けて公開が開始されている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/6/12 11:02