日本の電子コミック市場規模は514億円、インプレスR&Dが調査


 株式会社インプレスR&Dは、「電子コミックビジネス調査報告書2012」を9月27日に発売する。それによれば、2011年度の国内電子コミック市場規模は514億円と、前年度の524億円から減少。2006年の調査開始以来、初めて前年を下回ったという。

市場規模減少はスマホ対応への遅れ、今後はKindle上陸で活性化も

 市場規模減少の要因としては、フィーチャーフォンからスマートフォンへのデジタルコンテンツのシフトが遅れていることや、ケータイ向け電子書籍市場の落ち込みを補完できていないことを指摘している。

 その一方、電子書籍市場全体ではスマートフォンやタブレット端末の普及とともに、電子書籍がマルチデバイスで閲覧できる環境が広まることや、Amazon Kindleの日本上陸などが予想されており、市場が活性化することは間違いないとみている。

 特に電子コミックについては、電子化の遅れていた少年マンガの人気作品の電子化が進んでコンテンツが拡充されることにより、電子コミックが市場のシェアをさらに高めていくと推察している。

電子コミック市場規模の推移

電子コミックを買っても紙のコミックの購入量は「変わらない」が6割

 有料電子コミック利用者が購読しているジャンルでは、「青年マンガ誌系」が49.3%、「少年マンガ誌系」が48.1%と多く、その他は「アダルト・成人マンガ」(21.2%)や「ボーイズラブ」(11.2%)、「ティーンズラブ」(10.2%)なども読まれていた。

 また、有料電子コミック利用者に対して、紙のコミック(単行本)の購入量の変化を聞いたところ、「変わらない」が61.5%に上り、電子コミックを利用しながらも単行本を従来のように購入していることが伺えた。一方、「単行本は買っていなかった」という人も6.3%に上り、電子コミックが新規ユーザーを開拓している状況も見られた。

 電子コミックビジネス調査報告書2012の価格は、CD(PDF)版が6万800円、CD(PDF)+冊子版が7万1400円。


関連情報


(増田 覚)

2012/9/25 16:05