ネットバンキング利用者を狙ったウイルスを確認、警察庁が注意を呼び掛け


 警察庁は4日、インターネットバンキングの利用者を狙い、不正な入力画面を表示して情報を入力させようとするウイルスを検出したとして、利用者に注意を促した。

 このウイルスは、利用者がインターネットバンキングの正規のページからログインすると、「システムのメンテナンスや機能の向上のためにお客様情報の再入力をお願いします」といった記載とともに、第二暗証番号や質問、合言葉、インターネット用暗証番号などの入力フォームを表示するもの。

 不正な入力画面の表示が確認されているのは、金融機関が住信SBIネット銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行の各行、クレジットカード会社が三菱UFJニコス。各金融機関などには、11月2日19時現在で、288件の相談などが寄せられている。

 警察庁の不正プログラム解析センターでは、利用者のPCを解析した結果、不正な入力画面を表示するとみられるウイルスを検出した。また、当該ウイルスは、マカフィーの「トータルプロテクション」、シマンテックの「ノートンインターネットセキュリティ」、カスペルスキーの「アンチウイルス2013」で、それぞれ最新の定義ファイルに更新した状態で駆除可能であることが判明したとしている。シマンテックでは、該当ウイルスと思われるウイルスを「Trojan.Zbot」として検出することが確認できたという。

 警察庁では、1)ウイルス対策ソフトによりウイルスを駆除すること、2)不審なサイトにアクセスしないこと、見に覚えがないメールのURLはクリックしないこと、3)不必要なプログラムや信頼のおけないサイトからプログラムをダウンロードしないこと、4)不正な入力画面などが表示された場合は、個人情報を入力せず金融機関などに通報すること――の4点を利用者に講じてもらいたい対策として呼び掛けている。


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(三柳 英樹)

2012/11/5 14:10