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キヤノン、スマホからWi-Fiで直接スキャンできる小型スキャナー

「imageFORMULA DR-P208」

 キヤノンマーケティングジャパンは、キヤノン電子製ドキュメントスキャナーの新製品「imageFORMULA DR-P208」を12月中旬に発売する。合わせて、Wi-Fi連携でスマホなどからも利用可能になるオプション「Wi-Fiユニット WU10」もラインナップする。価格はどちらもオープン価格で、店頭販売価格は「imageFORMULA DR-P208」が2万円台半ば、「Wi-Fiユニット WU10」は1万円台になる見込み。

 今回発売される「imageFORMULA DR-P208」は、持ち運び可能なサイズで、USBバスパワーで駆動する小型ドキュメントスキャナー。一度の搬送で両面を読み取る両面同時スキャンを実現しているほか、最大10枚までセットできる自動原稿送り装置(ADF)を搭載。両面原稿の連続スキャンを実現している。給紙は手前からで、奥へ送り出す方式。給紙トレイは短めだが、原稿を検知すると紙押さえが自動的に下がる機構が搭載されている。

 既存モデルの「DR-P215」同様、普段利用していないパソコンでもスキャンができるように、パソコン側にドライバーやソフトウェアのインストールが不要な「Auto Start」モードが用意されている。「DR-P208」本体内にはメモリー領域が備わっており、Windows、Mac対応のソフトウェア「CaptureOnTouch Lite」を内蔵。スキャナー本体の「Auto Start」スイッチをオンにしパソコンに接続すると、メモリー内のソフトウェア「CaptureOnTouch Lite」を直接パソコンから起動でき、スキャンが行える。

 USB接続では200dpi、300dpi、600dpiの解像度を選択可能。スキャン速度は、USB接続の場合、A4縦において、200dpiではカラー、モノクロ・グレースケールともに毎分8枚(16面)、300dpiではモノクロが毎分8枚、カラーが毎分6枚、600dpiではモノクロが毎分5枚、カラーが毎分1枚となっている。スキャン速度はハードウェアの最大速度を示したもので、データ転送速度やソフトウェア処理時間は含まれていない。普通紙のほか、薄紙、名刺、はがき、カードスキャンに対応する。

 後述のWi-Fiユニットと接続したWi-Fi環境では、スキャン解像度は150dpi、300dpiのみが選択可能。アクセスポイントモードでのスキャン速度は、A4縦、150dpiで、カラー、モノクロともに毎分7枚、300dpiではモノクロが毎分7枚、カラーが毎分5枚。

 本体機能として斜行補正に対応しており、外形補正または文字列での補正を選択可能。このほか、用紙サイズ自動検知、白紙スキップ、プレスキャン機能、カラー・グレー・白黒自動判別(Macはカラー・グレー自動判別)、文字向き検知、白黒、アドバンスドテキストエンハンスメントII、256階調グレースケール、24bitカラーの各機能を搭載。写真を綺麗にスキャンする写真モードも用意されている。

 読み取りセンサーはCIS。光源はRGBのLED。消耗品は「分離パット」で、重送が増えたら交換する。パッケージにはキャリングケースのほか、パソコン用ソフトウェア「CaptureOnTouch」「やさしく名刺ファイリングエントリー3」などが同梱される。本体の大きさは312.5×40×55.5mmで、重さは約600g。既存モデルで小型の「DR-P215」は併売される。

「imageFORMULA DR-P208」給紙トレイ全開時
スキャン中のイメージ。スキャンは両面同時で、原稿は手前から奥に搬送される

「Wi-Fiユニット WU10」

 別売りのオプションユニット「Wi-Fiユニット WU10」を接続すれば、Wi-Fi経由の利用が可能。パソコンと接続できるほか、AndroidおよびiOS向けに提供される無料のアプリ「Capture OnTouch Mobile」を利用し、スキャンしたデータを簡単にスマートフォンに転送できる。アプリから「Evernote」や「Dropbox」へ転送が可能。12月下旬には、コクヨのCamiAppシリーズに書かれた原稿をスキャンすると「CamiApp」アプリと自動的に連携する機能も用意される。

 アプリはAndroid版がAndroid 2.3.3以上、iOS版がiOS 4以上をサポートする。

 「Wi-Fiユニット WU10」には、無線LANへの接続形態として、既存の無線LAN環境に接続する「ステーションモード」と、スマートフォンなどの端末と1対1で直接接続し、既存の無線LAN環境がなくても利用できる「アクセスポイントモード」の2種類が用意されている。データ転送速度は、アクセスポイントモードのほうが高速になる。

 「Wi-Fiユニット WU10」は、キヤノン電子製スキャナーの既存モデルに接続することも可能で、「DR-P215」「DR-150」が対応する。

 「Wi-Fiユニット WU10」は付属のACアダプターで駆動し、スキャナーとはUSBケーブルで接続する。なお、「Wi-Fiユニット WU10」の内部にはバッテリーを装着することも可能で、キヤノンのデジタルカメラ用リチウムイオンバッテリー「LP-E10」(4500円・別売り)を装着できる。バッテリー搭載時の連続稼働時間は約50分。ACアダプター、バッテリー駆動のいずれでも、スキャナーに対してUSBバスパワーで電源を供給する。

 無線LANはIEEE802.11b/g/nをサポート。接続設定はWPSがサポートされている。大きさは約125×71×31.7mmで、重さは約125g。

「imageFORMULA DR-P208」(左)と「Wi-Fiユニット WU10」(右)
スマートフォンアプリ「Capture OnTouch Mobile」の利用の流れ

ソフトウェア「CaptureOnTouch」

 「imageFORMULA DR-P208」のパッケージに同梱のソフトウェア「CaptureOnTouch」はWindows、Mac OS Xの両方に対応。出力ファイル形式は、PDF、JPEG、TIFF、BMPで、WindowsではPowerPoint形式も選択できる。PDFについては高圧縮、サーチャブル(OCR)に対応。OCR機能は白抜き文字の読み取りに対応した。スキャンしたデータは「Evernote」「Googleドキュメント」「SharePoint」「iPhoto」と連携できる。

(太田 亮三)