ニュース

モリサワ「黎ミン」がギネス認定、世界で最もグリフ数の多い書体ファミリー

 株式会社モリサワは4日、同社が提供する明朝体フォント「黎ミングラデーションファミリー」が、世界で最もグリフ数(文字数)の多い書体ファミリーとしてギネス世界記録に認定されたと発表した。書体に関するギネス記録は世界初だという。

 黎ミンは、34のウェイト(書体の太さ)からなるグラデーションファミリーを構成する明朝体。グラデーションファミリーとは、複数のファミリー(ウェイトを段階的に変えて作られた書体のグループ)によって構成される書体群の総称で、黎ミンで独自に採用されているものだという。

 具体的には、黎ミンを基準に横線を段階的に太くデザインした5ファミリーで構成されており、各書体にはそれぞれ5~8種類のウェイトが用意されている。そのバリエーションは全34書体になり、「本文」「見出し」「大見出し」「ディスプレイ」といった使用目的に応じて使い分けるかたちになる。「従来のおもに縦画の幅が変化するウェイトという軸に、横画の太さという軸が加わることにより、縦横2方向の文字の太さが表現できるようになった」としている。

 黎ミンでは、すべてのウェイトで文字セットがAdobe-Japan1-6(2万3058文字)に対応。収録されるグリフ数が合計で70万文字を超えることから、ギネス記録に挑戦していた。今回、ウェイト間で共通したグリフや重複するものを除いた74万8811文字で、記録として認定された。

 モリサワでは、同社ウェブサイトにおいて黎ミングラデーションファミリーの特集ページを開設している。

(永沢 茂)