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押井守氏が“電子書籍”初監督、「Adobe Edge Animate」でHTMLアニメ化

 映画監督の押井守氏の原作・監督によるコミックアニメーション「ちまみれマイ・らぶ」が、iPad向けアプリで1月20日より配信されている。同氏にとって初の電子書籍監督作品で、タブレットデバイスなどで見ることを前提にHTMLアニメーションとして制作されているのが特徴だ。

「ちまみれマイ・らぶ」 (C)2013 八八粍・デイズ/コミック・アニメーション

 “コミックアニメーション”とは、株式会社コミックアニメーションが制作・配信しているコンテンツ。各クリエイターがそれぞれの感性で再構築したデジタル時代のマンガの様式を提案するのがコンセプトだという。ちまみれマイ・らぶは、押井氏にとって「うる星やつら」以来になる“ドタバタコメディ”だとしており、「テキストアドベンチャーゲームを彷彿とさせる画面展開」で「マンガからコマ割りの概念を取り払った新たな表現を模索」したとある。

 iTunes Storeで提供しているアプリ自体は無料で、各話を購入して閲覧するかたち。1月20日に第1話(250円)を配信開始しており、2月17日に第2話を配信開始予定だ。

iPadでの表示 (C)2013 八八粍・デイズ/コミック・アニメーション

 アドビシステムズ株式会社によると、ちまみれマイ・らぶのオーサリングには、同社が現在無料提供しているHTML/CSS/JavaScriptアニメーション作成ソフト「Adobe Edge Animate」が使用されているという。第1話については「Flash Professional CS6」でオーサリングしたものをHTMLアニメーションに変換するかたちだったが、第2話以降は、Flashを使わずにHTMLアニメーションを作成できるEdge Animateに移行した。

「Adobe Edge Animate」でのオーサリング画面 (C)2013 八八粍・デイズ/コミック・アニメーション

 アドビのウェブサイト「Adobe HTML & Flash Gallery」においても、Edge Animateの活用事例としてちまみれマイ・らぶを紹介。Edge Animateでのコンテンツ制作を担当したウェブデザイナーらのインタビューを伝えている。同作品の特徴について「色彩豊かなイラスト一枚一枚の魅力を前面に、そこにシンプルな効果を重ねて変化を加えることで、時間軸すなわちストーリ性を生みだしている」と語っており、iPadの色表現力の高さが他の媒体では提供できない「一枚絵による感動」を実現しているという。

「ちまみれマイ・らぶ」の絵コンテ (C)2013 八八粍・デイズ/コミック・アニメーション

(永沢 茂)