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米Adobe、Creative Suiteの新機能開発を中止〜Creative Cloudへ移行

Creative Suiteの販売とサポートは継続

 米Adobeは6日、クリエイター向けの主力ソフトウエアラインアップをクラウドサービス「Creative Cloud」に集中し、デスクトップアプリケーションである「Creative Suite」製品は今後リリースしないことを発表した。

 現行販売製品Adobe CS6は今後もサポートは継続する。またダウンロード、リテール版として販売も行われる。しかし新機能追加など、将来版のリリース予定はないとしている。

 この戦略に合わせてブランド名称も変更する。Creative Suite(CS)として知られているツールに関しては今後、Creative Cloud(CC)ブランドで展開していく。

 Creative Cloud製品のメジャーアップデートの発表に合わせ、主要製品ラインに加えて、30以上のツールやサービス、サブスクリプション制料金プランが発表された。多くの新機能が追加されたAdobe Photoshop CC、InDesign CC、Illustrator CC、Dreamweaver CC、Premiere Pro CC、After Effects CC、Muse CCなどが含まれている。いずれも、Windows、Mac OS X、iOS、Androidから利用可能だ。なお、この中にFireworksは含まれておらず、Fireworksの機能は他のアプリケーションに吸収されることになった。

 一連のメジャーアップデートは、6月からグローバルに利用できるようになる予定だ。

 Adobeがクラウドサービスに集中するという決定について、Adobeデジタルメディア担当シニアバイスプレジデントでゼネラルマネージャーのDavid Wadhwani氏は、「私たちは1年前にCreative Cloudを開始し、爆発的な成功を収めてきました。私たちのエネルギーと私たちの優秀なエンジニアをCreative Cloudに集中させることによって、会員の手元に遙かに速いペースでイノベーションをもたらすことができるようになります」、とコメント。

 現行のAdobe CS6製品については、「Adobe Creative Suite6製品は引き続きサポートされ購入できるが、Creative Suiteまたは他のCS製品については今後リリースする予定はない」と説明している。

 Creative Suite6製品については、「adobe.com」からのダウンロード販売と小売販売を継続する。さらに、Creative Suite3〜5.5利用者には、Creative Cloudを1年間月額29.99ドルで利用できる割引価格を提供。一部のCS6ユーザーに対してもプロモーション価格が提供される予定だ。

 Adobeが集中する「Creative Cloud」は、クリエイティブな作業をデスクトップだけでなく、ウェブやモバイルからも行えるだけでなく、クリエイターが自分のポートフォリオをAdobeコミュニティに展示し、フィードバックを得られるほか、すべてのファイルをクラウドに自動同期できるメリットなどがある。

 なお、今回Creative CloudにFireworksは含まれなかったが、Fireworks公式ブログでは、Fireworksとの機能重複がPhotoshop、Illustrator、Edge Reflowなどの間で見られたことから、今後は顧客ニーズを満たす新ツール開発に集中することにしたとしている。なお、Fireworks Creative Suite6は、今後も販売を継続。セキュリティアップデートやバグフィックスも提供される。また、WindowsとMac OS Xの次期メジャーリリース時もアップデートによってサポートする予定だ。

 Adobe Creative Cloudのサブスクリプション価格は、年間契約で月額49.99ドル、学生教師価格は月額29.99ドル。その他にチームバージョンや企業、教育機関、政府向けのボリュームライセンス価格なども提供されている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)