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オリコ、Visa payWave搭載のNFC対応クレジットカードを発行
年間100兆円の個人消費における5000円以下の対面取引市場の攻略を目指す
（2013/5/17 06:00）
株式会社オリエントコーポレーションとビザ・ワールドワイドは16日、非接触型決済ソリューション「Visa payWave（ペイウェーブ）」を搭載したNFC対応クレジットカード「OricoCard Visa payWave」の発行を開始すると発表した。募集はオリコのウェブサイトに限定して2013年5月17日より受付を開始し、初年度1万枚の新規入会を目指す。
「OricoCard Visa payWave」は、接触ICと非接触ICがひとつになったデュアルインターフェイスのICモジュールを採用。「Visa payWave」は、金融分野におけるICカード決済に関するICカードおよび端末に関する国際標準仕様、「EMV」に準拠している。
「Visa payWave」を利用するには、店舗側のICカードリーダーライター端末が「Visa payWave」に対応している必要があるが、2013年1月現在で、世界41カ国で利用可能。日本人の海外渡航先上位国では、中国以外は対応しているという。
「OricoCard Visa payWave」のカード会費は年1312円（初年度無料）。海外加盟店でのショッピング利用はポイントが2倍となり、海外旅行傷害保険も付帯している。
ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 代表取締役 岡本和彦氏は、日本は非接触ICの利用においては先進国だが、日本で使われているスキームは日本国内でのみ使われているものだとした。payWaveのソリューションは、すでに非接触ICカードの利用に慣れた日本の消費者には馴染みやすいうえ、世界共通でどこでも使えるという利点を強調した。
また、Visaが2012年に野村総研に委託した調査によれば、日本の個人消費は280兆円で、うち対面取引は170兆円、ネットショッピングなどの非対面取引は110兆円。体面取引のうち、5000円を超える決済が約70兆円で、うちクレジットカード利用は27％と、米国をはじめとするカード先進国なみとなっている。しかし、5000円以下の決済は約100兆円のうち、カード決済が4％、非接触IC決済が3％で、約9割が現金での決済だという。
Visaでは、Visa payWaveにより、この100兆円のセグメント（5000円以下）を攻略していきたいとした。「今年をVISA payWave元年として、少額決済にも電子決済を広めていきたい」（岡本氏）。
NTTドコモは昨年、MasterCardとの提携でNFC決済への対応を発表したが、「タイプA／BのICが搭載されたものが日本でも出回ってきた。日本市場でもグローバル化が進められる準備が整ってきた」として、プラスチックのカードだけでなく、携帯端末でのVisa payWave対応も年内には行いたいとした。
株式会社オリエントコーポレーション 代表取締役社長 齋藤雅之氏は、「日本国内ではネット通販の成長や、高速道路、公共料金、コンビニなどのクレジット決済が市場を拡大する形で取り扱い高が拡大している。取り扱い高は年間2兆4000億に達し、3年で2倍に成長しており、定着しつつある。一方で、非接触ICスキームは日本の独自規格で、海外で利用できない。顧客利便性や満足度という点で改善の余地があると考えていた。visa payWaveは国際標準規格の非接触ICカードで、41カ国で利用でき、スピーディな決済処理、高い安全性と利便性を兼ね備えている」と、今回のVisa payWave対応カード発行の背景について語った。
すでにNFC決済に対応するスマートフォンも登場しているが、モバイル端末での決済はNFCにおいて代表的なペイメントアプリケーションのひとつとなりつつあると述べ、国内のみならず、海外での利用促進効果もあるとみているとした。「日本における非接触IC決済と、日本の決済市場の拡大に寄与すると期待している。日本のクレジットカード市場の発展成長にさらなる貢献をしていきたい。」（齋藤社長）
海外での利用については、「OricoCard Visa payWave」では非接触のため、海外での買い物でも店員にカードを渡す必要がなく、安全性も向上すると述べ、41カ国で利用できることと合わせて海外でカードを利用する機会の多い層に訴求していきたいとした。
また国内展開では、「OricoCard Visa payWave」では短時間での決済が可能なことと、オリエントコーポレーションではスーパーなどとの提携カードの扱いが多いことから、ファストフードやスーパーなど、レジでの決済に要する時間を短縮したいというニーズのある業態での採用を増やしていきたいと述べた。