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NHK技研公開2013、HTML5と放送の連動「ハイブリッドキャスト」などを展示

NHKの「技研公開2013」。一般公開は5月30日〜6月2日

 東京都世田谷区のNHK放送技術研究所で、放送技術などの研究成果を展示する「技研公開2013」が5月30日〜6月2日に開催される。入場は無料。「期待、見たい、感じたい」をテーマに、37項目の研究成果が展示される。

 一般公開に先立ち、28日には報道関係者向けに展示が公開された。NHK放送技術研究所所長の藤沢秀一氏は、今回の技研公開の目玉となる展示として「ハイブリッドキャスト」と「スーパーハイビジョン」を紹介。会場の入口付近では、この2つに関する展示が大きく行われている。

HTML5コンテンツを放送と連動する「ハイブリッドキャスト」

 ハイブリッドキャストは、放送番組とHTML5を利用したウェブアプリケーションやコンテンツを連動させる仕組み。年内にはNHKが試行的にサービスを開始する予定としており、現在のデータ放送よりも詳細な情報や高機能なアプリケーションの提供、オンデマンド番組の視聴、スマートフォンやタブレット端末との連携などを実現する。

放送とHTML5コンテンツが連動する「ハイブリッドキャスト」。年内にも試行サービスが開始される予定

 会場では、NHKのハイブリッドキャストのサービス提供例として、30日前まで表示できる番組表から「みのがし番組」サービスを起動したり、タブレットをリモコンとして利用できる機能などを展示。また、民放各局による番組と連動したサービスを展示している。

ハイブリッドキャストによる番組表
「みのがし番組」サービスとの連携
タブレット端末とも連携
KDDIのSTB「Smart TV Box」によるハイブリッドキャストの試作搭載

 ハイブリッドキャストの技術仕様については、テレビ放送とインターネット上のサービスを連携させるシステムや、HTMLブラウザーやAPIなどの仕様、メタデータの運用規定などが3月に公開されている。

 現在の仕様では、放送局が指定したウェブアプリケーションやコンテンツのみが利用できる形となっているが、将来的には放送局以外の事業者もアプリケーションを提供できる仕組みについて議論を行っているということで、会場でも放送局をまたいでレシピ情報を提供するハイブリッドキャストのサービスなどを参考例として展示。また、より高精細なスーパーハイビジョンの画面を利用したハイブリッドキャストの活用例などを紹介している。

放送局以外の事業者もアプリを提供できる仕組みについては現在検討中
ハイブリッドキャストアプリの制作支援ツールなども展示

8Kスーパーハイビジョンのリアルタイムエンコーダーなども展示

 現在のハイビジョンよりもさらに高精細な「スーパーハイビジョン」関連では、8K(7680×4320)映像のHEVC(H.265)リアルタイムエンコーダーや、8K対応の小型カメラを展示。また、衛星放送や地上放送の1チャンネル分の周波数幅で90Mbps程度のスーパーハイビジョン信号を送信するための伝送技術や、無圧縮では144Gbpsにも達するフルスペックスーパーハイビジョン映像信号を番組制作機器間で接続するための光ファイバーのインターフェイス、番組素材を中継先から長距離伝送するためのシステムなどを展示している。

 このほか、カメラマンの操作に合わせて複数のカメラが被写体を自動追尾して撮影する「多視点ロボットカメラシステム」や、微小レンズを並べたレンズアレーを用いた裸眼立体テレビ「インテグラル立体テレビ」、気象情報を対象にした手話CGへの翻訳システムなど、各種の研究成果をデモで体験できる。

8K対応のHEVCリアルタイムエンコーダー
8K対応の超小型カメラヘッド
地上テレビ放送1チャンネル分でスーパーハイビジョンを伝送する技術
非圧縮スーパーハイビジョン信号の長距離伝送システム
複数のカメラが被写体を自動追尾して撮影する「多視点ロボットカメラシステム」
気象情報を対象にした手話CGへの翻訳システム

(三柳 英樹)