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LINEがニュースアプリ公開、ざっくり言うと/まとめ機能でヤフトピ超え狙う

 LINE株式会社は18日、主要なニュースサイトの記事を閲覧できるスマートフォン向けアプリ「LINE NEWS」を公開した。App StoreとGoogle Playから無料でダウンロードできる。LINEとしては初のメディアサービスとなるアプリ。「王者不在」というスマートフォンのニュース分野でトップを目指すという。

「livedoor ニュース」と「NAVERまとめ」のノウハウを結集

 LINEが運営する「livedoor ニュース」と「NAVERまとめ」のノウハウを生かし、ニュースの要点をわかりやすく伝えるのが特徴。総合、エンタメ、トレンド、スポーツ、時事といった幅広いジャンルの話題を、短時間で「ざっくり」と把握できるとしている。

 話題のニュースをLINE NEWS編集部がピックアップし、人力でニュースの概要を60〜70字程度に要約する。これには、記事の内容を3行程度にまとめるlivedoor ニュースの「ざっくり言うと」のノウハウが活用されている。

 ニュースを時系列に理解できるよう、NAVERまとめのように、第一報から現在までの流れをまとめてトピック表示する。ユーザーが閲覧したトピックを認識し、その後に届く関連記事は「続報」としてプッシュ通知する機能も備える。

トップ画面
画像を中心とした見出し
続報機能

ニュースのゴールはヤフトピなのか?

 主要なニュースサイトの記事を閲覧できるアプリとしては、個人の趣味や嗜好に応じた記事を配信する「Gunosy」などもあるが、LINE NEWSは「奇をてらわずに普通の人が普通に使えるニュースアプリを目指した」と、同社執行役員の島村武志氏は語る。

 「パーソナライズ化するアプリをリリースすれば『いけてる感』は出るかもしれないが、関心のある話題しか読まずに『社会人として押さえておくべきニュース』がこぼれ落ちる可能性もある。LINEのユーザー層を考えると、小難しい話は抜きにしたかった。」

 「普通のニュースアプリ」を開発するにあたっては、「ニュースのゴールはヤフトピなのか」を自問。その結果、堅いニュースを堅いまま提供せずに、「小学5年生でも理解できる」をコンセプトに掲げ、「ざっくり言うと」「まとめ」「続報」の要素を盛り込んだ。

 「ニュースは連続ドラマみたいなもので、たまたま自分が見た時が『第3話』だったりして、1話と2話を追うのに苦労する。ニュースは前後関係も含めて見なければ理解できないが、トピックを時系列に表示するまとめや続報でこの問題を解決できる。」

 さらに、ニュースの堅苦しいイメージを払しょくするために、記事の要約では「です・ます」など口語体を採用した。「難しいことを言っているなと構えられたくないので、人力を駆使して優しく伝えるようにしている」(LINE NEWSを担当する末弘良雄氏)。

ヤフトピ超えで“スマホのポータル”獲りへ

 LINEはこれまで、世界で1億9000万人、日本で4500万人以上が利用する無料通話・メールアプリを通じて、ゲームや電子書籍、さまざまなアプリを展開するプラットフォーム戦略を推進。「スマートフォンのポータル」となることを目標に掲げてきた。

 ポータルの座を狙うにあたっては「対ヤフー」を強く意識したと、島村氏は語る。「PCではブラウザーのスタート画面で勝負が決まっていたが、スマートフォンの普及で状況が一変した。LINE NEWSはポータル展開の最初のステップ。LINEという集客装置があれば、絵空事ではなく本気でヤフーを超えられると思っている」。

 アプリはLINE経由でダウンロードを促進し、収益面は広告を見込む。「メディア事業で一番大きな収益を得るのは、最大のトラフィックを得るところ。ヤフーでバナーが売れるように、ナンバーワンメディアになればそれなりの収益規模になる」と自信をのぞかせる。

末弘良雄氏(左)と島村武志氏

(増田 覚)