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「青空文庫」呼びかけ人の富田倫生氏が死去

 「青空文庫」呼びかけ人の富田倫生氏が16日に死去した。61歳。

富田倫生氏(2013年6月29日に行われたシンポジウムで)

 富田氏は1952年生まれ。1983年代にライターとして独立し、1985年には書籍「パソコン創世記」を出版。その後、病気により執筆活動を中断した際に、ボイジャーの電子本「エキスパンドブック」と出会ったことで電子出版の可能性を感じ、1997年に青空文庫の活動を開始した。

 青空文庫は、利用に対価を求めないインターネット電子図書館として、著作権保護期間を過ぎた作品や、著者が公開に同意している作品を、これまでに1万点以上公開している。

 著作権保護期間を現在の50年から延長しようという動きに対して、富田氏は文化庁の審議会やイベントなどで反対を訴え続けており、6月29日に行われたシンポジウムでも、著作権保護期間が延長された場合の影響の大きさを語っていた。

 青空文庫では16日、富田氏が1997年に出版した書籍「本の未来」を公開している。

(三柳 英樹)