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米Amazonが新「Kindle Paperwhite」を発表〜コントラストと処理速度も向上

 米Amazonは3日、第6世代となる新Kindle Paperwhiteを発表した。Wi-Fi版は119ドルで、9月30日発売予定。Wi-Fi+3G版は189ドルで、11月5日に発売する。米国Amazon.comでは、現在Wi-Fi版のみ予約受け付けを開始している。現時点で米国以外の地域に関しては発売予定を含め、発表されていない。

 新Kindle Paperwhiteはコントラストが向上し、プロセッサーが高速化されたほか、電子書籍を読みやすくするための複数の新機能が搭載された。重量はわずかに軽くなり、サイズは現行版と同じ。その他の仕様や機能は全バージョンを踏襲している。

 新Kindle Paperwhiteは、電子書籍リーダーの基本機能を改良し、読みやすさを改良したという。新しい電子ペーパーディスプレイについて、「高いコントラストと優れた反射能力によって、白はより白く、黒はより黒く表示され、物理的な本と事実上区別がつかない」ほどだと説明する。

 ディスプレイの技術的詳細については明らかにされていない。ウェブサイトでは、「exclusive Carta e-paper technology」を使用したと説明している。解像度は212ppiの16階調グレースケールで、現行バージョンと変わっていない。またKindle Paperwhiteの特徴である内蔵ライトも新世代に改良されたとしている。

 搭載プロセッサー速度は25%性能向上したことから、書籍を開くスピード、ページめくりのスピードが高速になったとしている。タッチスクリーンのグリッド密度は従来製品に比べて19%細かくなったことで、より繊細なタッチを識別できるようになったという。

 重量は、現行バージョンの213gから206gと、わずかな差ながら7g軽量化。端末サイズには変更はないため、カバーやスタンドなどのアクセサリー類はそのまま流用できると考えられる。

 書籍を読みやすくするための機能追加も行われた。

 「Kindle Page Flip」は、今読んでいるページをそのままにして、ページ、章、目次、索引をスキミングできる機能だ。読んでいる最中に前のページにあった図が気になって元に戻る、といった用途に便利だ。

 また「In-line Footnotes」機能により、ページに引用してある注釈部分を、そのページを離れずにウィンドウとして表示できるようになった。

 辞書機能にも「Smart Lookup」という新機能が搭載された。辞書もページを離れずにその場でウィンドウがポップアップして表示できる。辞書以外にWikipediaにも対応した。さらに、X-RayとWikipediaと連動させることで、よりインテリジェントな辞書引きが可能になった。

 例として挙げられているのは、ノンフィクション作家Michael Lewis氏の「The Big Short(邦題『世紀の空売り』)」だ。リーマンショックを描いた経済ノンフィクションだが、重要な金融商品である『クレジットデフォルトスワップ』という言葉が出てくる。これまで辞書で引く場合、「credit」「default」「swap」と別々にしか引けなかった。しかし、新機能のSmart Lookupでは「credit default swap」をまとめて選択し、辞書で引くことができる。

 利用者の単語力向上に役立つ「Vocabulary Builder」も搭載。自分が辞書で引いた言葉を記憶し、暗記カードにしていつでも見直せるので、単語力を強化できるという。

 保護者向け機能として「Kindle Freetime」も搭載した。親が子供にKindleを与え、子供向け書籍を登録しておけば、子供の毎日の読書時間、辞書で引いた言葉の数、目標を達成した時に与えられるバッジ、読了した本などを後で見られる。子供にもっと本を読ませたい親には便利かもしれない。

 また、Amazonが買収した読書コミュニティーサイト「GoodReads」が統合された。GoodReadsコミュニティー内の友人が読んだり、ハイライトしたり、レーティングしたりした書籍をKindleから直接見られる。

 新機能のうち、「Kindle Freetime」と「GoodReads」は、発売時には搭載されず、後ほどソフトウェアアップデートとして提供される予定だ。

 なお、Kindleに関連しては、大型の9.7インチ電子ペーパーディスプレイを搭載したKindle DXが復活したことも最近話題になっている。初代版が2009年に発売開始された古株とも言えるKindle DXは2012年秋頃にAmazon.comで販売中止となり、Kindleファミリーの一員として表示すらされなくなった。しかし、2013年6月になり突然販売を再開している。部材調達の都合によるものか、Amazonが新たに9.7インチあるいはそれ以上のサイズの端末を公開する意思の表れなのか、今のところ理由は不明だ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)