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米Microsoft、Surface新バージョン発表。絶妙な価格で性能向上

~新アクセサリーに注目

Surface Pro 2

 米Microsoftは23日、新SurfaceモデルとなるSurface 2とSurface Pro 2を発表した。

 プロセッサパワー、バッテリー持ち時間、液晶やカメラ解像度が改良され、価格はiPadとNexus 10の中間、Proは高性能Windows 8コンバーチブルマシンで、デメリットをサービスで補うとの興味深い位置付けとなる価格設定だ。

 24日からオンライン、米国、カナダで予約受付を開始、10月22日発売。発売開始時点では世界22市場での発売だが、この中に日本は含まれていない。追加販売予定国は今後発表するとしている。

 Surface 2は以前Surface RTと呼ばれていた機種の後継バージョンで、「RT」表記が外れた。クリエイティブな作業に利用できる個人向けタブレットとの位置付けだ。Surface RTに比べわずかに薄く、軽い。NVIDIA Tegra 4プロセッサを搭載し、公称で10時間の連続動画再生が可能。10.6インチClearTypeフルHDディスプレイを搭載し、USBポートはUSB 3.0にアップグレードされた。カメラ解像度は1080p動画を録画できる3.5メガピクセルフロントカメラと5メガピクセルリアカメラを搭載している。Windows RT 8.1、Office Home and Student 2013 RT、Outlook RTを搭載している。

 Surface 2は32GBモデルが449ドル、64GBモデルが549ドル。前バージョンのSurface RTは32GBモデルが349ドルだ。なおSurface RTに関しては当初449ドルで発売されたが、後に一時的キャンペーンで100ドル値下げし、このキャンペーン価格が維持されて現在の349ドルに落ち着いた経緯がある。

 この価格設定を他のライバル機種と比較すると、最新iPadの499ドルより50ドル安く、GoogleのNexus 10に比べて50ドル高いという価格設定であることがわかる。

 Surface Pro 2はSurface Proの後継機種だ。Surface Proに比べて60%以上バッテリー持続時間が向上し、第4世代Intel Core i5プロセッサ(Haswell)搭載によるパフォーマンス向上が顕著だ。

 Surface Pro 2は64GBモデルが899ドル、128GBモデルが999ドル、256GBモデルが1299ドル、512GBモデルが1799ドル。64GBと128GBモデルは4GBのRAMを、256GBと512GBモデルは8GBのRAMを搭載している。

ドッキングステーションを装着したSurface Pro

 Surface Pro 2はタブレット端末というよりは、強力なコンバーチブルタブレットだ。実際他社のコンバーチブルタブレットと比較しても、Haswell搭載機種はそう多くはない。これは大きなメリットになる。

 Surface 2とSurface Pro 2に関しては噂されていた以上のサプライズはなかった。しかし新発表されたアクセサリーには興味深いものがある。

 特に注目されるのはPower Coverで、Type Coverにバッテリーを内蔵。Surface 2とSurface Pro、Surface Pro 2のバッテリー持続時間を最大50%向上できる。推定小売価格は199.99ドルで、2014年初頭の発売となる。

 またSurface ProとSurface Pro 2で使用できるドッキングステーションも発表された。これにはUSB3.0ポートと3つのUSB2.0ポート、外部モニター接続、Ethernet、外部電源が用意され、簡単な機構でドッキング可能だ。

Surface 2。Surface 2はWindows RT 8.1、Surface Pro 2はWindows 8.1 Proを搭載する

 Type CoverをBluetoothで使用できるワイヤレスアダプターも発表された。画面からかなり離れた状態でもSurfaceを利用できるようになる。推定小売価格は59.99ドル。

 Touch Cover 2は前のTouch Coverより薄く、軽くなった。キーにバックライトがつき、視認性に優れる。センサーもアップグレードされ、複数のジェスチャーもサポートされた。推定小売価格119.99ドルとなる。

 Type Cover 2もさらに薄く、軽くなり、バックライトがついた。また4色で発売される。以前よりも静かに、高速なタイピングが可能。推定小売価格は129.99ドルとなっている。

 それ以外にSurface利用に合わせてデザインされたArc Touch Mouse Surface Edition も発表された。USBポートを占有しないで済むようにBluetooth 3.0で接続し、Surfaceに合わせた新デザインを採用。価格は69.99ドルだ。

応答性もより向上したType Cover 2

 新価格設定と合わせて興味深いのは、Microsoftが提供している他のサービスとの連携である。

 Surface 2とSurface Pro 2利用者には2年間SkyDriveを200GB無料で利用できる権利が提供される。このSkyDriveの200GB料金プランは今日発表されたもので、通常利用者には年額100ドルで提供される。Surfaceはドライブ容量が少ないことに懸念を感じる利用者が多い。しかしSkyDriveを利用すればこのデメリットを解消でき、安価にSurface 2のメリットを享受できると考えることもできる。

 さらにSkypeの利用権も提供される。Surface 2とSurface Pro 2購入者に提供されるのは、Unlimited Worldwide CallingとUnlimited Skype Wi-Fiの1年間無料利用権だ。

 これにより、世界各地のSkype Wi-Fiホットスポットを無料利用できる。また60カ国の固定電話と8カ国の携帯電話に1年間無料で通話できる。

 Surface 2はストレージ容量が少ないほか、OSはWindows RTのため対応アプリが少なく、デスクトップアプリを利用できないなどのデメリットがある。しかし、200GBのSkyDriveやSkypeの無料利用権など、用途によっては他社製品と比較して大きなメリットとなる可能性もある。

 前バージョンのSurfaceは実質的に失敗しただけに、Surface 2がどれだけ市場に受け入れられるかに注目が集まっている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)