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SDN/NFVで家庭内通信機器を仮想化、テレフォニカとNECが“仮想CPE”実験

 テレフォニカとNECは11日、ブロードバンドアクセスネットワークの簡素化とサービス提供の迅速化のために、仮想CPE(Virtualized Customer Premises Equipment:顧客宅内通信機器、以下vCPE)の商用化に向けた共同実証実験を行うことで合意した。

 ブロードバンドネットワークの普及に伴い宅内通信設備の機能が増大し、テレフォニカが家庭内に設置する通信設備に対する修理や保守への負荷が高まってきている。このため、宅内通信設備の機能を簡素化できる仕組みに期待がかかっている。

 本実証では、NECのvCPEを導入し、これまでユーザーの宅内にあった端末側の各種IP機能をテレフォニカの局所内に収容することで端末側機能を仮想化し、ブロードバンドアクセスネットワークサービスの運用およびメンテナンスを強化するとともに、ネットワークの簡素化を実現する。これらの機能実現に向けて、両社はブラジルにおいてテレフォニカの個人および企業の顧客向けにvCPEのフィールドトライアルを実施する。

 これらはSDN(Software-Defined Network)・NFV(Network Function Virtualization)コンセプトに基づいている。ネットワーク機能の仮想化を進めることで、通信事業者はネットワークのハードウェア使用率を低減させ、運用を効率化できる。また、ネットワークの運用を簡便化することで新サービス開発を早め、エンドユーザーに多様なサービスを提供できるようになるという。

 NECは今後も技術・製品サービスの開発、パートナー連携、顧客への提案を進め、SDN事業を一層強化する方針。

(川島 弘之)