ニュース

米Microsoft、「Windows Phone 8 Update 3 Preview」を発表

~6ライブタイル対応、テザリングを簡単に。アクセシビリティも強化

 米Microsoftは14日、Windows Phone 8 Update 3 Previewを発表した。

 日本ではWindows Phone 8端末は発売されていないため、直接の影響はない。米国の一般利用者は数か月以内に端末ファームウェアなどとともにアップデートが開始される予定だ。また今日から、このアップデートを利用できる開発者向けプレビュープログラムが開始された。

 Microsoftがデバイス&サービス部門を買収したNokiaは、来週10月22日に発表会を予定しており、このアップデートを搭載した新機種公開が期待されている。

 Update 3の主要新機能として、5~6インチサイズのスクリーン対応による大きなスタートスクリーン、6ライブタイル表示、ドライビングモードの改良、モバイルアクセシビリティ機能の改良が挙げられる。

 現在ライブタイルは4つしか表示できない。しかしUpdate 3ではこれを最大6つに増やした。発表文では、「新しいアップデートは、5~6インチのタッチスクリーンを持つ将来のWindows Phoneデバイスへの道を開く」としており、新端末発表が期待される。画面サイズでは1080p HD画質ディスプレイにライブタイルを表示することになる。ライブタイルにはメール、SNS、写真、動画など様々なアプリの最新状況をライブに表示できるため、スタートスクリーンの情報量を大幅に増やすことが可能となる。

 また、Update 3では米Qualcomm社のSnapdragon 800クアッドコアプロセッサに対応し、デュアルコアから大幅にプロセッサパワーを向上させることが可能となった。Bluetoothと連動するドライビングモードも改良され、運転中にかかってきた電話とメッセージに自動応答できるようになった。

 視覚や聴覚が不自由なユーザー向けのモバイルアクセシビリティを実現するための一連のアプリも搭載された。これらのアプリにはスクリーンリーダーが含まれており、画面を見られなくても、電話、メール、テキストメッセージの応対、ウェブブラウジング、SkypeやLync通話、アラーム、カレンダー等の通知を扱うことが可能となる。

 テザリング機能も簡単に利用できるように改良された。電話とPCをBluetoothで関連付けるだけでインターネット共有が完了し、Windows PhoneをWi-Fiホットスポットとして利用できるようになるとしている。

 今回の発表に合わせ、開発者向けに「Windows Phone 8 Preview for Developers」プログラムが発表された。開発者は申し込みの上、アップデートを開発のために利用できる。ただし、アップデートには端末固有のファームウェアは含まれておらず、アップデート後は前バージョンに戻すことはできないため、十分な注意が必要となる。

 現在日本国内ではWindows Phone 8端末は発売されていないが、海外ではそのデザインと使いやすさは比較的高い評価を得ている。利用できるアプリの種類はiOSやAndroidプラットフォームに比べれば少ない。しかし、支持者の間では、必要十分なアプリが揃っているという意見もある。

 上述の通り、10月22日にNokiaが開く発表会に注目が集まっている。MicrosoftがNokiaのデバイス&サービス部門を買収して以来、初めての大きな発表会となる。10月22日はまた、米Apple社が発表会を開く予定だとされており、新iPadやMac OS X Mavericks発表が噂されている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)