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米Apple、機能劣化した新iWorkの改善を約束〜批判を受け一部機能を復活へ

 米Appleは6日、「iWork」の新バージョンで削られた機能を、6カ月以内に一部復活させることを明らかにした。

 これは、Appleのサポートページに公開された11月6日付けのサポート文書「新しいiWork for Macについて:機能と互換性」と題する文書に記されていたものだ。

 Appleのオフィススイート「iWork」にはPages、Numbers、Keynoteが含まれている。新バージョンが10月22日に発表され、既存ユーザーと新規OS X、iOS端末購入者には無料提供が開始されていた。

 しかし前バージョンにあった多くの機能が削除されていたことから、特にiWorkのヘビーユーザーから厳しい批判の声があがっていた。今回の発表は、この批判を受けてのものだと思われる。

 このサポート文書の中で、Appleは機能が削除された理由を説明している。それによると、新iWorkは「一から書き直された」としており、完全な64ビット版にするため、そしてOS X、iOS 7、iWork for iCloudベータ版で同時に利用できるようにするための統一ファイルフォーマットに対応するためだという。

 また、「これらアプリケーション書き換えの中で、iWork '09のいくつかの機能は、最初のリリースでは使用できなかった。我々は、次のいくつかのリリースで、これら機能のいくらかを再導入することを計画しており、さらに全く新しい機能も継続的に追加していく」と説明した。

 しかしこの文書でも明らかにされているように、前バージョンのすべての機能は復活しない。また「次のいくつかのリリース」の明確な期日についても詳細は不明だ。

 ただし6カ月以内のリリースで追加されるいくつかの機能については一覧を掲載した。

 Pagesでは、「ツールバーのカスタマイズ」「垂直ルーラー」「整列ガイド」と「オブジェクト配置」の改善、「画像付きセルのインポート」「字数計算」の改善、「スタイルのキーボードショートカット」「サムネイルビューからのページとセクションの管理」。

 Numbersでは、「ツールバーのカスタマイズ」「ズームやウィンドウの配置」の改善、「複数列範囲のソート」「セル内テキストのオートコンプリート」「ページのヘッダーとフッター」、AppleScriptサポートの改善。

 Keynoteでは、「ツールバーのカスタマイズ」「古いトランジションとビルドの復元」「発表者ディスプレイ」の改善、AppleScriptサポートの改善となっている。

 この改善までの期間、AppleではOS Xにインストールされた前バージョン「iWork '09」の使用を推奨している。前バージョンはバージョンアップ後もアプリケーションフォルダの中に残されているという。

 さらに、旧バージョンで作成されたドキュメントを新iWorkで開くと、新ファイルフォーマットで開かれてしまう。旧iWorkで利用するためには復元が必要だ。

 ファイルを開いただけで編集をしていない場合、ファイルメニューから元のファイルフォーマットに戻すことができる。編集後は、ファイルメニューからiWork '09ドキュメントにエクスポートが可能だと説明している。

 今回の新iWorkは、OS XとiOS版とのデザインを統合させることを目的とした野心的なバージョンだと言える。その一方で、ヘビーユーザーが使用し、依存していた高度な機能が予告なく削除されてしまったことは大きな問題だった。

 特にオフィススイートというソフトの性質上、ビジネスで利用していた企業やヘビーユーザーは、AppleScriptを利用していることが多かった。AppleScriptはOS Xに搭載されているスクリプティング言語またはマクロ言語で、Macの様々な作業を比較的簡単なプログラミングによって自動化できる。これは業務効率化のため不可欠な機能で、多くの企業で導入されている。これらが突然使えなくなったことで損失を受けたビジネスが多かったことが批判を厳しくさせた。

 今回の発表で、NumbersとKeynoteでAppleScriptサポートの「改善」が約束されたが、どの程度まで改善されるのか注目される。

(青木 大我 taiga@scientist.com)