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BIGLOBE、月額980円でLTEプランを発表、シャープ製端末も
(2013/12/2 17:36)
NECビッグローブは、LTEに対応したデータ通信サービス「BIGLOBE LTE・3G」を拡充し、月額980円で1GBまで利用できるエントリープランを追加した。Webサイトやイオンリテール、Amazon.co.jpでも販売されている。
「BIGLOBE LTE・3G」のエントリープランではまた、月間1GBを超えた場合に通信容量を増やせるサービスを用意。公衆無線LANサービスを利用できるサービスやアプリを用意する。
Androidタブレット「Nexus 7」(2013)とセットで販売するプランのほか、SIMカードや料金プランとセットにした「Wi-Fi ほぼスマホ」として、「AQUOS PHONE for BIGLOBE」を2014年2月3日より月額2950円で提供する。
「BIGLOBE LTE・3G」エントリープラン
「BIGLOBE LTE・3G」エントリープランは、月額980円で利用できるデータ通信サービス。インターネット接続サービスなどでISPとしてすでにBIGLOBEを利用しているユーザーは、月額770円で利用できる。ネットワークはNTTドコモのXiおよびFOMA網を利用する。
通信容量は月間1GBまでで、容量を超えた場合は通信速度が128kbpsに制限される。この際、100MBにつき315円を支払う「ボリュームチャージ」を利用すれば、1GBを超過した月でもチャージした容量分だけ速度制限を解除できる。同プランの通信速度は、端末およびエリアが対応していれば、下り最大150Mbps(理論値)に対応する。
同社が提供する公衆無線LANサービスを無料で利用でき、アプリ「オートコネクト」を利用すれば、自動的な接続や、省電力に配慮したLTEとWi-Fiの最適な切り替えなどを行う。このアプリはBIGLOBEが提供する端末にプリセットされるほか、SIMロックフリーの端末などに向けてアプリ単体でも提供される。公衆無線LANスポットはワイヤ・アンド・ワイヤレスと提携して提供し、2014年度には約30万スポットが対応する見込み。
提供されるSIMカードの形状は、通常、microSIM、nanoSIMの3種類を用意。2014年2月にはSMSに対応したSIMカードも提供される予定。なお、既存ユーザーがSMSを利用する場合はSIMカードを対応のものに交換する必要がある。
音声通話については、050番号のIP電話サービスなどを案内している。「BIGLOBE LTE・3G」では3Gの音声通話をサポートしていないが、今後3Gの音声通話をサポートするSIMカードの提供も検討されている。
「BIGLOBE LTE・3G」エントリープランが販売されている場所は、BIGLOBEのWebサイトや電話での注文のほか、イオンの本州・四国の約200店舗と、Amazon.co.jp。このうち、12月31日までにイオンリテールで購入すると、初期費用の3150円が980円になるキャンペーンが実施されている。
端末セットは「Nexus 7」「AQUOS PHONE for BIGLOBE」
SIMカードを提供するBIGLOBEのプランとして最も安いプランとなった「BIGLOBE LTE・3G」エントリープランでは、これまでと同様に、Android端末をセットにして端末代金を含めて手頃な価格で提供するプランも用意される。
グーグルの7インチタブレット「Nexus 7」(2013)とのセットでは、2年契約で端末と通信費を含めた料金が、月額2590円。このセットは12月2日から販売されている。
「Wi-Fi ほぼスマホ」の最新モデルとして、新たにシャープから端末が供給される「AQUOS PHONE for BIGLOBE」は、2014年2月3日に発売される予定。「BIGLOBE LTE・3G」エントリープランとセットになり、2年契約で端末と通信費を含めた料金が、月額2950円。同社では、端末と通信費を込みで2年間の合計が7万800円になり、キャリアが提供するモデルより安価だとしている。
「AQUOS PHONE for BIGLOBE」(SH90B)は、NTTドコモの2013年夏モデル「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」がベースになっていると思われる。4.8インチでフルHDのIGZO液晶ディスプレイを搭載し、1310万画素カメラ、防水、ワンセグ、ワイヤレス給電などに対応している。050番号の「BIGLOBE フォン・モバイル」に対応。Google Playを利用できる。
主な仕様は、ディスプレイが約4.8インチ、1920×1080ドット、約1678万色表示のIGZO液晶。メインカメラは約1310万画素、インカメラは約210万画素。CPUは1.7GHz駆動のクアッドコア、メモリは2GB、ストレージは32GB。無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/ac(ドラフト)。Wi-Fiテザリングの同時接続は最大10台。バッテリー容量は2600mAh。OSはAndroid 4.2。大きさは約138×70×9.9mmで、重さは約157g。3Gでの通話機能、緊急地震速報などのエリアメールには対応しない。
BIGLOBEでは、「Wi-Fi ほぼスマホ」の「AQUOS PHONE for BIGLOBE」について、12月2日から先行予約の受付を開始している。先行予約特典として、「BIGLOBE LTE・3G」エントリープランが2カ月分、無料になるほか、抽選で100名に1名は、「Wi-Fi ほぼスマホ」の利用料(端末代金と通信料)が2年間分、全額無料になる。
なお、「Wi-Fi ほぼスマホ」の「AQUOS PHONE for BIGLOBE」は、端末のみが、楽天市場でも取り扱われる見込み。
980円は「価格的にはギリギリ」、新しいデバイスも検討
2日には都内で記者向けに発表会が開催された。登壇したNECビッグローブ 代表取締役 執行役員社長の古関義幸氏は、モバイルネットワークのトラフィックが逼迫している現状を示した上で、「私どもが注目しているのがWi-Fi。実際に計測しても、2~3倍は速い。これを使わない手はない」と、モバイル通信サービスでもWi-Fiを積極的に活用していく方針を改めて示す。Wi-Fiの通信速度のさらなる高速化や、周波数帯の拡大、シームレス認証などにより使い勝手が向上するという今後の見通しにも触れ、2014年度にはシームレス認証などのいくつかの技術が利用できるようになるとした。
一方で、Wi-Fiは多くのユーザーに活用されていないとし、Wi-Fiを活用すれば、LTEなどキャリアの通信網でのデータ通信量は、多くの場合、月間1GB程度に収まると解説する。設定の煩雑さやバッテリー消費への懸念、そもそもWi-Fiがよくわからないなどの理由でWi-Fiがオフにされている場合も多いと指摘し、これらを解決するものとして「オートコネクト」が紹介された。
オートコネクトでは、電波強度を判別して、電波の弱いWi-Fiには接続しないようにするほか、ユーザーの動きを検知し、例えばコンビニの前を歩いて通り過ぎるようなケースでは、Wi-Fiスポットに接続しないといった制御を行う。また、Wi-Fiに接続している際にはLTEの接続をオフにしたり、画面スリープ中はWi-Fiの検索をオフにしたりするほか、更新されたアプリのダウンロードはWi-Fiのみで行う設定が初期設定でオンになっている。
古関氏は、価格競争の面では「価格的にはギリギリ。これ(月額980円)以上は不可能ではないか。サービスが重要になり、それがオートコネクト。アプリは今後も出していきたい」と、競争軸が今後徐々に変化していくと指摘する。通信速度については、ブロードバンドサービスを提供する同社として、常時128kbpsなどの通信速度は考えていないようで、月額980円で月間1GBまでの通信容量とした点には自信を見せている。
また、今後は付加価値という意味でも新しいデバイスも検討しているとし、「それが腕時計なのか、メガネなのか、まったく想像できない何かなのか。企画・開発は進めており、プロトタイプも動かしている。来年には出てくるのではないか」と、周辺機器の分野でも新たな製品を提供するとした。