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消費者庁、二重価格表示問題で楽天に再発防止を要請

 消費者庁は4月30日、オンラインショッピングモール「楽天市場」での二重価格表示問題について、楽天株式会社に対して役員や従業員に調査結果の周知徹底を図ることや、景品表示法についての遵守を図るなど、必要な措置を講じるよう文書で要請した。

 楽天市場では、2014年に行った楽天日本一セールなどで、通常価格で販売しているにもかかわらず、通常価格の表示を釣り上げて半額以下のセールに見せかけるといった、不当な二重価格表示が指摘され、問題になった。

 こうした二重価格表示は、景品表示法違反の有利誤認に当たる可能性がある。楽天は当時、店舗が独断で行ったこととして、不当表示が確認された17店舗について出店停止措置を発表していた。

 しかし、こうした価格表示は楽天社員が店舗に指導していたとの報道があり、これを受けて楽天では調査を実施。4月25日に会見を開き、楽天の従業員18人が店舗に対して不当表示の提案を行っていたとする調査結果を発表した。

 消費者庁では、楽天からの報告によると、「具体的な違反行為は把握できなかったとのことであるが、報告されているような提案を受け入れた出店店舗が実態のない架空の価格等を比較対照価格とした二重価格表示を行う場合には、景品表示法における不当表示に該当するおそれがある」と指摘。

 楽天に対しては、再発防止策として示した営業倫理委員会の新設および監査体制の強化を着実に実施するとともに、役員および従業員に対して調査結果について万全の周知徹底を図ることや、景品表示法についての理解の深化および遵守の徹底を図ることなどにより、不当な二重価格表示が行われないようにするなど、景品表示法違反とならないための必要な措置を講じることを求めている。

(三柳 英樹)