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DeNAがDNA関連ビジネス参入、一般消費者向けに遺伝子検査サービス「MYCODE」

東大医科学研と共同研究を推進

 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)と東京大学医科学研究所は3日、日本人の遺伝子検査システムに関する研究を共同で推進すると発表した。研究成果をいち早く社会で活用できるよう、DeNAの子会社を通じて一般消費者向けの遺伝子検査サービスも展開する。

東京大学医科学研究所
東京大学理事・副学長の松本洋一郎氏
(向かって左から)株式会社ディー・エヌ・エー取締役ファウンダーの南場智子氏、東京大学医科学研究所所長の清野宏氏、同ヒトゲノム解析センター・センター長の宮野悟氏

 東大医科学研ヒトゲノム解析センター・センター長の宮野悟氏(DNA情報解析分野教授)によると、共同研究の内容は、1)日本人DNAデータを用いた日本人のための疾病リスク予測モデルの研究、2)DNAの一部を調べる消費者直販型のサービスによる消費者の健康に関する行動変容の解析、3)ヘルスビッグデータ社会実装にあたってのELSI(Ethical, Legal and Social Issues:倫理的・法的・社会的問題)面での課題抽出と対処法の研究――という3項目。

 共同研究にあたりDeNAでは、インターネットサービスを通じて蓄積したビッグデータ解析の知見を提供するほか、実際のヘルスサービスの提供にあたってはゲーミフィケーションの手法も活用できるのではないかとしている。

 DeNAは4月に設立した100%子会社「株式会社DeNAライフサイエンス」にヘルスケア事業を分割。DeNAライフサイエンスが7月下旬より、一般消費者向けの遺伝子検査サービス「MYCODE」を提供開始する計画だ。

 MYCODEのサービス詳細は追って発表するが、申し込みはインターネットで受け付け、検査キットを郵送。ユーザーから返送されたサンプルをDeNAライフサイエンスが国内で解析し、その結果に基づき疾病リスクや体質についてのレポート、予防や健康向上のためのアドバイスをウェブを通じて提供するほか、カウンセリングも検討する。

 共同研究は、文部科学省などが推進する産学官連携プログラム「革新的イノベーション創出プログラム」に基づいて行われるもので、同プログラムの「ヘルスビッグデータを用いた健康長寿イノベーション」のトライアルサテライト拠点として選出された。東大医科学研とDeNAでは昨年7月より、同プログラムへの応募準備を進めてきたという。

(永沢 茂)