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Google、衛星ベンチャーのSkyboxを5億ドルで買収合意

解像度1mのタイムリーな衛星画像動画、自社開発衛星で撮影

 米Googleは10日、衛星ベンチャーの米Skybox Imagingを5億ドルの現金で買収することで、両社が最終的な合意に達したと発表した。今後、米国規制当局の認可、買収手続きを経た上で買収が完了することになる。それまでの間、Skyboxは通常営業を継続する。

Skybox Imagingのウェブサイト

 Googleは買収目的について「Skyboxの衛星は、最新画像によりGoogle マップの正確さを維持できるようにするだろう。我々はまた、時間の経過に従って、Skyboxのチームと技術が、Googleが長い間興味を抱いてきた分野であるインターネット接続と災害救援を向上させられるようになると願っている」と説明した。

 そのため買収の直接的なメリットとして、Google マップやGoogle Earthのサービス向上が期待される。また、Googleがすでに買収した高高度成層圏航空機ベンチャーのTitan Aerospaceや、気球を浮遊させて辺境地にインターネット接続を確立するGoogleのプロジェクト「Project Loon」など、地球全土に高速インターネット接続を可能にする一連の技術開発に関連することも指摘している。

 一方、Skyboxは買収発表文の中で「世界最小の高解像度画像衛星」を自社開発し、打ち上げていることを説明している。Skyboxの手法により、衛星画像や衛星動画を毎日タイムリーに収集できるため、「サプライチェーン監視、海洋監視、環境および人道支援活動の監視、産業プラント稼働監視」といった用途に使用できることを謳っている。この人工衛星は安価な商用技術を応用しているため、同じ性能なら20倍小さく、使用電力は100ワット電球1つ分だという。これにより低予算で大量の衛星の打ち上げが可能になった。さらに、この衛星から送られてくる1m解像度の大量画像データを高速処理するデータ処理技術にも多大な投資を行っている。

 Skyboxの社是として、地理空間的情報を誰でも入手しやすくするために必要な技術開発は何でも行うことを掲げており、そのために人工衛星の自社開発を行っている。この点でもGoogleと社風が似ていると主張している。

 SkyboxはこれまでKhosla Ventures、Bessemer Venture Partners、Canaan Partners、Norwest Venture Partnersから合計9100万ドルの資金を調達してきた。

(青木 大我 taiga@scientist.com)