ニュース

新しいパスワードが思い浮かばない……8割近くの人が悩み

 トレンドマイクロ株式会社は12日、パスワードの利用実態調査の結果を発表した。ID・パスワードによるログインが必要なウェブサービスのユーザー518人を対象に5月末に調査したもので、パスワードの使い分け状況やパスワードの管理方法について聞いている。

 利用するすべてのサービスで異なるパスワードを設定していると回答したのは6.9%にとどまり、9割以上のユーザーが複数サービスでパスワードを使い回していることが分かった。中でも多いのは2~3種類のパスワードでほぼすべてのサービスを利用しているという人で、56.4%と半数を占めた。また、1種類だけという人も15.8%いた。

 2013年には、複数のサービスで同じID・パスワードを使い回すユーザーのアカウントに不正ログインを仕掛ける“パスワードリスト攻撃”“アカウントリスト攻撃”が目立ったが、今回の調査結果から、多くのユーザーが少数のパスワードを使い回している高リスクな状況にあるとしている。

 ID・パスワードを使い回す理由(複数回答)は、「異なるパスワードを設定すると忘れてしまう」が74.7%、「異なるパスワードを考えるのが面倒」が46.5%というように、「異なるパスワードを設定することへの課題が浮き彫りになった」としている。

 このほか、パスワードに関する意識で、「パスワードを設定しても忘れてしまう」という人が77.8%(「そう思う」30.1%と「どちらかというとそう思う」47.7%の合計)に上った。また、「新しいパスワードが思い浮かばない」とした人も77.4%(「そう思う」32.8%と「どちらかというとそう思う」44.6%の合計)に上った。

パスワード管理、手帳などに手書きメモが44.2%で最多、次いで記憶が36.5%

 普段のパスワードの管理方法(複数回答)としては、「手帳やノートにメモする」が最多で44.2%、次いで「書いたり、保存せずに覚えておく」の36.5%だった。「ウェブサービスのパスワードというデジタル情報の管理に、手書きのメモや、記憶に頼るという、アナログな方法をとるユーザーが依然多い」としている。

 以下は、「携帯電話のメモなどに保存する」16.0%、「パソコン上の文書ファイルなど(メモツール含む)に保存する。※ファイルは暗号化していない」12.0%、「メモした紙をデバイスの近く、あるいは見えるところに張っている」7.5%、「ウェブブラウザーの管理機能(オートコンプリート機能など)を使う」6.4%、「自分あてにメールを送付、あるいはドラフトとして保存する」5.4%、「パソコン上の文書ファイルなど(メモツール含む)に保存する。※ファイルは暗号化している」5.0%、「パスワードを管理できるサービス・ソフト・アプリで管理している」4.2%。

【記事更新 23:30】
 ID・パスワードを使い回す理由についての記述を追加するとともに、記事タイトルを変更しました。

(永沢 茂)