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NTTドコモら、「In-Network Computing」による低遅延AI映像解析の実証実験に成功
2026年3月4日 06:00
株式会社NTTドコモとNTT株式会社は3月2日、分散配備された遠隔GPUリソースと5Gネットワークを、広帯域・低遅延を特徴とするIOWN APNを介して接続する「INCエッジ」を活用し、低遅延なAI映像解析の実証実験に成功したと発表した。
INC(In-Network Computing)とは、ネットワークに演算処理(コンピューティング)の支援機能も持たせ、エッジ(デバイス)側の演算負荷軽減を図る技術。同実証実験では、INCのエッジ側デバイスであり、5Gコアネットワーク上でIOWN APNとの間を接続するINCエッジに、AI推論処理の制御機能も実装していることが特徴。推論の前段にあたる処理と推論の実行部分に分け、前段処理後のデータを遠隔GPUリソースへ低遅延に転送・振分けできる。
ネットワーク内に分散配備された遠隔GPUリソースと5Gネットワークを、このINCエッジを用いてIOWN APNを介して接続し、5Gネットワークに接続された端末から送信された映像データのAI推論処理の検証を実施した。
AI推論処理を各リソースの処理負荷軽減のために分散実行するケースでは、GPUリソース間の通信遅延が推論処理全体の遅延に大きく影響するため、同一拠点内など地理的に近い場所にあるGPUリソースの利用が前提とされている。同実証実験用のINCエッジとIOWN APNにより、通信だけでなくAI推論処理をネットワーク側から制御することにより、地理的に離れた遠隔GPUリソースを用いた場合でも、高い推論性能を維持できるかを検証した。
実験において、通信とAI映像解析の合計処理遅延が、人間の周囲でロボットが自律制御に基づいて動作する場合に想定される要求遅延と比較して、要求遅延以内であることを確認し、6G時代の遠隔でのロボット制御に十分な低遅延を実現できる見通しを得られたとしている。
また、映像データの転送には、AWS上に構築した商用5Gコアネットワークの優先制御機能を適用し、INCエッジの役割と組み合わせることで、5GネットワークおよびIOWN APNを活用した広帯域・低遅延なAI映像解析を実現したという。
この成果について、スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress Barcelona 2026」のNTTグループブースにて展示している。両社は、今後も機能が簡素化された端末の普及に向けてINCの技術検討・実証および国際標準化を推進し、6G時代のAI・ロボットがその能力を最大限発揮するネットワークの実現を目指すとしている。
