イベントレポート

Interop Tokyo 2026

地球と月で光通信を確立するための「衛星間光通信ターミナル」試作品をKDDI研究所が展示

ほか、宇宙とインターネットに関する注目の展示をピックアップ

株式会社KDDI総合研究所のブース

 6月10日~12日に開催された「Interop Tokyo 2026」の中では、主催者企画として「Internet x Space Summit」を実施。宇宙とインターネットに関する展示や講演がなされた。

 株式会社KDDI総合研究所のブースでは、JAXAとの契約にもとづいて研究開発している、月と地球の間の光通信の技術について展示していた。同展示は、Interop Tokyo出展者の製品を表彰する「Best of Show Award」にて、「イノベーションテクノロジー(スペースチャレンジ(宇宙産業))部門」のグランプリを受賞した。

 今回の展示は、地球を回る静止衛星と、月を回る月周回衛星との間で光のビームにて通信するための技術だ。距離が38万kmあるため、ターゲットがごく小さく、例えるなら神奈川県の横浜と千葉県の舞浜の間で直系10cmのカップにホールインワンする精度が必要だという。そのための手ブレ補正と追尾の技術が今回の展示のテーマだ。

 仕組みとしては、受信した光に対して、可動ミラーで“手ブレ補正”を行う。可動ミラーの先では光信号を、広視野光センサーと高感度光センサーに分光し、センサーの情報から可動ミラーを調整する。

 なお、この技術の地上検証の開始について、2月18日付でプレスリリースとして発表されている。

地球と月の間を光のビームで通信するための手ブレ補正と追尾の技術
手ブレ補正の仕組み
下の黄色い線が光の通るコースを示している。左の角で、写真右上方向に向いているのが、可動ミラー
高感度光センサーの設置箇所
高感度光センサーの本体
光センサーの様子
入力する光を揺らして手ブレ補正する様子のグラフ

 また、同じく「Internet x Space Summit」のWIDE Project Space-WGのブースでは、地球・月・火星の間で、通信遅延時間を模して(月で1.3秒、火星で4分)チャットするシステムをデモしていた。

WIDE Project Space-WGのブース
遅延をエミュレートする
地球の画面
月の画面
火星の画面

 調査研究企業のDaiphys Technologies LLC(合同会社大物理技術研究所)のブースでは、NECとのコラボによる、衛星コンステレーションの打ち上げの追跡シミュレーションと、そのクイズを展示。また、衛星の画像を解析して時系列の変化を検出するシステム「DANGO」も展示していた。

Daiphys Technologies LLC(合同会社大物理技術研究所)のブース
衛星コンステレーションの打ち上げの追跡シミュレーションとクイズ
衛星の画像を解析するシステム「DANGO」

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)のブースでは、衛星通信のStarlinkのサービスとして、設置からのワンストップサービスや、防災通信キットを展示していた。

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)のブース
Starlinkのアンテナ
Starlinkの防災通信キット