イベントレポート
Interop Tokyo 2025
IIJ、インターネット非依存型のデータ同期技術「Ditto」など、宇宙での技術活用アピール
スマホなどの端末間が直接つながってメッシュネットワークで通信
2025年6月19日 12:48
6月11日~13日に開催された「Interop Tokyo 2025」の特別企画「Internet × Space Summit」の展示コーナーでは、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が出展。展示の1つとして、インターネット非依存型のデータ同期技術「Ditto(ディト)」を紹介していた。
Dittoは、米DittoLiveが開発した技術で、IIJが日本でのパートナーとして提携した。スマートフォンなどのアプリが使うSDKのかたちで提供される。
Dittoでは、たとえて言うとiPhoneのAirDropのように、端末同士がインターネットを介さずに1対1で通信する。通信には、BluetoothやWi-Fi Directなどが使われる。そして、それがメッシュネットワークを構成して複数の端末がつながる。
また、アプリが読み書きするデータについても、クラウド上のデータベースにつながらなくても、全ての端末で同じデータを同期する分散データベースを備えている。これにより、インターネットにつながらない場所でも全てのデータを利用できる。また、インターネットにつながったら、その同期されたデータをクラウド上のデータベースと同期することもできる。
そして、そのような構成でもデータの整合性が崩れないよう、CRDT(Conflict-free Replicated Data Type)という技術を利用している。
実際に使われている例としては、JALとANAの飛行機内で客室乗務員の端末で使われるアプリで採用されているという。Dittoにより、インターネットにつながっていなくても、乗客の注文をリアルタイムで伝えるといったことができる。
そのほか、クルーズ船や、飲食店のPOSシステム、あるいは米軍などでも採用されているとの話だった。展示ブースでは「適用範囲は広くないが、ハマるところにはハマる」と説明。IIJが国内で狙うのは、上述のような用途のほか、工場内で機械に遮られてWi-Fiアクセスポイントの設置が難しいところや、災害時の避難所での情報共有などを考えているとのことだ。