今週のキーワード
「IOWN」とは:光ベースの次世代情報通信基盤をもとに、スマートな世界の実現を目指す構想
2026年7月29日 09:30
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network:アイオン)は、NTTが提唱する、光の技術を軸とした次世代情報通信基盤をもとに、よりスマートにそれぞれが自分らしく生きられる世界の実現を目指す構想。
IOWNを推進する背景
近年、生成AIの普及やDXの推進により、データ通信量およびデータセンターでの消費電力が大幅に増加している。そのため、現在の電気信号ベースのネットワークや端末のままでは、将来的にエネルギー効率や通信容量が限界に達することが懸念されている。
IOWNでは、インフラの基盤を「光」へ移行させることで、こうした課題の解決を目指している。
IOWNを構成する3要素
ネットワークから端末まで、全てに光ベースの技術を導入することで低消費電力、高品質、大容量、低遅延の伝送を実現する「APN」(All-Photonics Network)、サイバー空間上で物や人同士の大規模シミュレーションを行い、未来を予測する「DTC」(Digital Twin Computing)、ICTリソースを最適化し、必要な情報をネットワーク内に流通させる「CF」(Cognitive Foundation)の3つから構成されている。
2026年現在、社会への実装に向けてさまざまな実験が行われている。特にAPNは、大阪・関西万博での会場内ネットワークとして使用されていた。現在も建設重機の遠隔操作や、データセンター同士の通信など、幅広い分野での実験が行われている。
また、2031年に完成し、NTT本社の移転が予定されている「NTT 日比谷タワー」では、IOWNが実装され、テクノロジーの進化とともに、街も進化し続ける「『光の街』づくり powered by IOWN」の取り組みを行うと発表されている。
AI時代に向けた新たな展開
生成AIの普及を背景に、AI活用は汎用的な業務効率化から、企業のコア業務や専門的な業務、さらには車やロボットなどさまざまなモノと連携するフィジカルAIへと急速に広がっている。
これに伴い、推論需要の大幅な拡大が見込まれ、GPU高密度ラックによる発熱への対応に加え、分散配置されたデータセンターやサーバー間をつなぐ低遅延ネットワーク、機微なデータを安全に扱うためのセキュリティやデータ主権への配慮、さらにはエッジまで含めた柔軟なインフラ設計などが求められるようになっている。
こうした課題を解決するため、AIの利用用途に応じて必要なGPUなどの計算リソース・ネットワーク・電力といったリソースを最適化し、デバイスなどの様々なエッジまで含めたセキュアな利用環境と統合的なオペレーションを実現するAIネイティブインフラ「AIOWN」も発表された。






