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KDDI、次世代の法人向けネットワーク基盤「AccelWaves」構想発表、AI本格導入に向け“つぎはぎ状態”の解消をアピール

第1弾「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」提供開始

AccelWaves構想の全体像

 KDDI株式会社は9月29日、法人向けネットワーク基盤「AccelWaves」構想を発表するとともに、同構想の第1弾となる「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」の提供を開始した。

 AccelWaves構想とは、同社の提供する自律型ネットワークサービス「KDDI AccelWaves Network」と、ネットワークと一体化したセキュリティ(同社ではこれを「Security as a Service」と呼称している)を組み合わせ、企業のネットワーク環境全体を最適化する構想で、「KDDI AccelWaves Network」自体は、同社が2026年5月に中期経営戦略の中で発表した、地上のAPNやデータセンター、空中の6G、海の海底ケーブルなどを組み合わせ、全国に低遅延通信網・AI計算資源基盤を構築する「デジタルベルト」上で提供されるネットワークサービスであり、同社が総力を挙げて構築するインフラ上のサービスといえる。

 なお、「KDDI AccelWaves Network」自体の提供は、2028年度の開始が予定されている。

「つぎはぎ」のネットワークが抱える課題を解決

 説明会の冒頭、同社の堀純二氏(ビジネスコア事業本部 プロダクト企画開発本部長)は、AIの社会への浸透とその好悪両面での影響といった背景を俯瞰したうえで、企業のネットワークのサイロ化や、それにともなうセキュリティソリューションのポリシー分散といった課題に言及した。

KDDI株式会社 ビジネスコア事業本部 プロダクト企画開発本部長 堀純二氏
企業の情シス・IT部門が抱える課題(KDDIが実施したヒアリングに基づく)。ポリシーの分散、管理の複雑化など、拡大に従いつぎはぎ状態になったネットワークやセキュリティの問題を、統一されたサービスに置き換えることで解決しするのが、AccelWaves構想となる
この日発表されたのは、SASEゲートウェイ powered by Palo Alto NetworksとKDDI AccelWaves Network

 サイロ化やポリシー分散といった課題を克服し、統一され、セキュアかつ効率的に運用できる自律型ネットワークサービスを提供するのがAccelWaves構想であり、KDDI AccelWaves Networkとなる。そして、その中でネットワークと一体化したセキュリティであるところの「Security as a Service」を、KDDI子会社であるラックの「マネージドセキュリティサービス」と共に担うのが、「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」だ。

 提供開始当初の「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」は、同社の既存の広域イントラネットサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch」(WVS)および「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」(WVS2)上で提供される。閉域ネットワークの信頼性とクラウド型セキュリティを組み合わせ、拠点やリモートワーク環境の従業員が、社内システムやインターネットへ安全に接続できる環境を提供する。

AccelWaves構想における、SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networksの位置づけ

Palo Alto Networksの「Prisma SASE」と連携

 同サービスは、Palo Alto NetworksのSASEソリューション「Prisma SASE」をWVS/WVS2と閉域接続し、組み合わせるもの。既存のイントラネット環境を活用しながら、クラウド利用を前提としたセキュアなインターネットアクセス環境を構築できるとしており、閉域ネットワークから外部のインターネットまでのネットワークとセキュリティを統一し、同じセキュリティポリシーで管理できるようにする。また、Palo Alto Networksのセキュリティソリューション「Prisma Access」による、高度なクラウド型セキュリティも提供される。

 説明会では、パロアルトネットワークス株式会社のアリイ・ヒロシ氏(代表取締役会長兼社長)と井元俊行氏(通信&ITソリューション事業本部 事業本部長)が登壇し、Palo Alto Networksのソリューションについて説明するとともに、協業の意義を語った。

パロアルトネットワークス株式会社 代表取締役会長兼社長 アリイ・ヒロシ氏
パロアルトネットワークス株式会社 通信&ITソリューション事業本部 事業本部長 井元俊行氏
Prisma SASEのSP Interconnectを介し、KDDIのWVS2と閉域接続
Prisma SASEの全体像
Palo Alto Networksが考える協業の意義と今後の展望

変化に自律的に対応できるネットワークサービス

KDDI AccelWaves Networkの特長となる3つの「革新」

 KDDI AccelWaves Networkの提供は2028年度の予定となるが、こちらの説明も行われた。このサービスは3つの革新的な点を持ち、AI導入により起こる予測不能性に対し、自律的に最適化するネットワークサービスである。

 1つ目の革新は「オートフィット」。AI利用により通信量の変動が大きくなり、手動での最適化が困難になることが予想されるが、自動で帯域の拡張やネットワーク全体での最適なシェアを行い、最適なAI利用環境を確保する。

オートフィットの概要。自律的にAIの利用に最適化したネットワーク環境を整える

 2つ目の革新は「オートレスポンス」。サイバー攻撃を自動的に検知し、隔離も行うことで、被害を最小化する。この仕組みは特許出願中であるという。

オートレスポンスの概要。サイバー攻撃の検知および対応を自律的に行い、被害を抑える

 3つ目の革新は「オートオペレーション」。ネットワークの使用状況を「総合ポータル」のダッシュボードで把握できるようにし、日常的な運用サイクルはAIが行うことで品質向上とともに人的な負荷を軽減。人間は重要な判断に専念できるようにする。

オートオペレーションの概要。状況は1つのポータルにまとめるとともに、AIが自律的に運用サイクルを回し、人間の運用負荷を軽減する
デジタルベルトとKDDI AccelWaves Network
AccelWaves構想のロードマップ