IOWN APNで東京と北海道のデータセンターにて同一ファイルシステムを構成、ブロードバンドタワーとNTT東が共同実証

　株式会社ブロードバンドタワーとNTT東日本株式会社は、東京〜北海道のデータセンター拠点間を、IOWN APN（All-Photonics Network）で接続するストレージシステムの実験を行う。期間は11月17日〜2026年3月31日で、発表によれば、長距離データセンター間で同一ファイルシステムを構成する初めての取り組みとなる。

　近年、企業のDX化によって膨大なデータが生成されているほか、AI技術の進展により、ストレージはデータの保存領域にとどまらず、企業活動や生産活動を支える「データプラットフォーム」としての機能を期待されている。一方、「データの格納場所（ストレージ）」と「利用者（アプリケーションや分析環境）」が同一拠点に存在するとは限らず、共有するために拠点間のデータ移動が頻発している。

　また、低遅延性が重要視されるため、多くの企業では拠点ごとにストレージが設置されているが、事業継続性を考慮したデータ保護、バックアップ、ディザスターリカバリー（DR：災害復旧）対策のほか、ランサムウェア対策を含むセキュリティ対策など、多面的な管理が求められており、管理負荷の増大などが課題となっている。このため、今回の実証に至った。

　実証では、IOWN APNを活用して東京拠点「ブロードバンドタワー 新大手町サイト」と、北海道拠点「NTT東日本 札幌市内データセンター」にまたがる同一ファイルシステムを構成し、1つのストレージシステムのように利用できるか検証する。約1000km間で構成されたストレージシステムの正常性確認、映像制作やAIのワークロードを想定したストレージ性能実証、セキュリティやデータ保護に関するストレージ機能検証を行っていく。