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米Appleと米IBM、企業向けモバイル分野での業務提携を発表

 米Appleと米IBMは15日、企業向けのモバイル分野における業務提携を発表した。両社は共同で、IBMのビッグデータ分析技術やクラウドサービスをiPhoneやiPadで利用するためのアプリ開発に取り組み、IBMは企業顧客向けにiPhoneやiPadの販売も行う。

IBMのバージニア・M・ロメッティ会長兼CEOとAppleのティム・クックCEO

 提携により、AppleとIBMでは企業向けのモバイルソリューション「IBM MobileFirst for iOS」を共同で開発する。IBMのビッグデータ分析技術とiOS向けアプリを組み合わせ、小売業、ヘルスケア、銀行、旅行、交通、通信、保険など100以上の業界に特化したソリューションを提供する。2014年秋から2015年に提供開始予定。

 また、IBMのクラウドサービスをiOS向けに最適化した「MobileFirst Platform for iOS」も提供。分析、ワークフロー、クラウドストレージ、デバイス管理、セキュリティ、モバイル統合などのソリューションをiOS向けに提供する。これらのサービスはすべて、IBMのクラウドプラットフォーム「Bluemix」上で利用できる。

 ハードウェア面では、iOS端末の導入やアクティベーション、管理サービスなどを支援する「IBM MobileFirst Supply and Management」を提供。企業のニーズに合わせた新しいAppleCareも提供する。

 Appleのティム・クックCEOは、IBMのビッグデータ分析技術をiOSのユーザーが利用できるようにすることは、Appleにとっても大きな市場機会が開けている。これはAppleとIBMにしか提供できない、エンタープライズ分野における大きな変革のステップだ」とコメント。IBMのバージニア・M・ロメッティ会長兼CEOは、「Appleのイノベーションは我々の日常生活を大きく変え、今ではそれがないことなど想像できない。今回の我々の提携は、同じ変革を人々の仕事や企業、産業にもたらすだろう」とコメントしている。

(三柳 英樹)