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「372」電話番号で海外でも着信が無料、月額固定費も無料の「Travel SIM」

 株式会社アイツーは19日、海外での音声通話の利用を想定した3G回線SIM「Travel SIM」の販売を開始した。価格(税別)は1枚7000円(9月末までキャンペーン価格6000円)、2枚1万3000円、3枚1万8000円。月額固定費無料で使い続けることができるほか、海外で着信する際にも料金を負担することなく電話を受けられるのが特徴。標準SIM、mircroSIM、nanoSIMに対応する。

 エストニアのTop Connect社のSIMをアイツーが日本向けに販売するもの。付与される電話番号は「372」(エストニアの国番号)で始まる番号で、これを使って電話の着信・発信を行う。付与された電話番号は、2年間に1回手続きをすることで、月額固定費不要で維持できる。

 通話料は、Travel SIM端末同士での通話は1分0.19ユーロ(約26.6円)。購入時にあらかじめ10ユーロ分チャージされているため、約52分間の発信通話が行える。チャージは、クレジットカード決済によりユーロ単位で追加可能。

 一方、一般電話あての発信は、例えば日本国内で他キャリアの携帯・固定電話にかけた場合は1分0.55ユーロ(約77円)。

 着信については、日本や米国、英国、中国、韓国などを含む130カ国以上において、無料で受信可能。アイツーによると、携帯電話の料金プランの多くは海外で電話を受ける場合、ローミングのための国際転送料金を受信者側が支払う方式なのに対し、Travel SIMでは受信者側は転送料の負担なく電話を受けられる。海外にいてもチャージ不足で電話が受けられないということがないとしている。SMSの受信も無料となっている。

 ただし、前述のようにTravel SIMはエストニアの電話番号のため、Travel SIMあてに発信する場合は、発信者側がエストニアまでの国際通話料金を負担することになる。

 このため、Travel SIMでは、Skypeとの提携による割安な通話サービスを用意している。SkypeからTravel SIMあてに発信してもらうことにより、発信者側の通話料は無料となる。一方で、受信者側(Travel SIMユーザー)に1分0.15ユーロ(約21円)の通話料が課金される。初期チャージ分の10ユーロでは、約66分間の通話受信が可能。

 なお、Skypeから発信された通話を受ける場合も、Travel SIM側は通常の音声通話回線が使われるため、データ通信回線や無線LANなどに接続している必要はない。

 音声通話のほか、1000KBあたり0.59ユーロ(約82.6円)で3Gデータ通信も可能だ。日本国内(NTTドコモ回線のローミング)と韓国ではW-CDMA、その他の地域ではGSM(800/850/900/1800/1900MHz)に対応している。

(永沢 茂)